おしえてアナリスト
Q 質問
相場全般の軟調にも拘わらず、ユニ・チャーム(8113)株価の好調に目を奪われています。本日6月14日の終値は9,950円と1万円の大台乗せが目前です。そこで質問ですが、同社株は1万円台に乗せた後も上値が期待できるのでしょうか?PERでは買いづらい気もします。
A 答え
ご質問、有難うございます。担当アナリストの西村がお答えします。ご指摘の通り、14日終値で計算したTIWの11/3期予想PERは24.1倍、12/3期は22.0倍と市場平均を上回っています。実績PBR(10年3月末)も3.41倍であり、指標面での割安感はありません。しかし私は、近々株価が1万円を超えたとしても、同社の中長期の高い成長ポテンシャルを考慮すれば、1万円は単なる通過点に過ぎず、依然として上値余地は大きいと考えます。
このように同社株の先行きについて強気のスタンスを継続しているのは、同社を最低でも5~10年先までの成長シナリオを描くことのできる企業と位置付けているからです。上場企業のなかでは、数少ない企業の一社と言えるでしょう。このように考えているのは、同社の手掛ける不織布・吸収体製品が世界的な需要拡大期に入ったからです。
もう少し具体的に言いますと、まず日本では高齢化が急速に進展しており、2025年の高齢者人口は約3,500万人になると推計されています。同社製品のなかでも高採算の大人用紙おむつに対する需要は一段と拡大する公算です。一方、新興国や途上国では経済発展に伴う所得の増加でいわゆる中間層が急増しています。それらの人々は、生活の質を向上させるための消費を本格化させています。終わった10/3期の海外主要国は現地通貨ベースで軒並み2桁増収を記録しましたが、とりわけ中国+34%、インドネシア+45%と顕著な伸びを示しました。消費パワーのアップした中間層が同社製のベビー用紙おむつや生理用品を求めています。
同社の海外売上はこの5年間で約30%の高い伸びを記録しました。今後は中国やインドネシアの深耕に加え、ベトナムやインド、アフリカ諸国の開拓に注力する方針です。同社は生産拠点の増強にも注力しており、2010年中にはインドネシア第2工場と韓国第2工場、さらにインド初の生産工場が稼働します。さらに2012年春の完成を目指しエジプトに工場を新設する計画です。こうした状況を踏まえれば、海外の成長が本格化するのは、むしろこれからと考えます。
参考としてTIWのDCFモデルに基づく理論株価を算出してみます。前提条件は、実効税率41%、リスクプレミアム6%、ベータ0.5、永久成長率1%、などとしました。この前提条件に私の業績予想(10年後の売上高7,248億円、営業利益797億円)を加えて計算したところ、理論株価は13,778円となりました。もちろん、理論株価は絶対的なものではなく、相場環境や業績動向で大きく変化しますので、あくまで一つの目安として捉えるべきです。とはいえ、中長期の投資スタンスに立てば、特に違和感のある数値ではないと思われます。
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