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TIWマガジン「投資の眼」

おしえてアナリスト

投資判断の基準となる適正PERについて ~高橋俊郎アナリストの回答~

Q 質問

よく「PERが高い」とか逆に「PERが低い」とかが投資判断の基準のひとつにされております。それでは、高くもない、低くもない、言ってみれば当該企業の経営状態に見合った適正な数値はどの辺りと考えればよいのでしょうか。

A 答え

「当該企業の経営状態に見合った適正な数値」はその企業に対してのそれぞれの見方がありますのである程度見解が分かれると思います。しかし、適正数値としましては、(1)その時々の東証1部のPERなどを勘案する(10月29日時点では東証1部のPERは15.17倍)、(2)競合企業の数値と比べる、などによりある程度妥当と考えられる数値が認識されます。 一般的にPERは15~20倍程度が妥当な水準と認識されています。すなわち15~20年の利益を先食い=この会社の利益を何年先まで買うことができますか?ということです。私の場合は、化学セクターでは総合化学の場合は、三菱ケミカルホールディングスや住友化学など総合化学6社ないしは宇部興産を加えた7社、繊維製品の場合には、東レと帝人などといった競合との比較で割安、割高を判断しています。
PERは株価÷1株当たり利益で算出します。その期の予想1株当たり利益を使用しますから、一時的にはPER40倍と割高になる場合もありますが、翌期には業績が大幅に改善してPER20倍程度となる可能性もあります。そのため、上期が過ぎた頃には翌期のPERが株式市場では意識されることもありますので、PERは利益成長をセットで判定することが重要です。経営陣の発言や取材、競合他社の状況などを勘案なしながら妥当な数値を決定するため、PERは市場(投資家)の評価という側面が強くあります。
PERの注意点としましては、(1)特別損益を反映している、(2)景気循環株(鉱業や石油化学が中心の化学など)では原油やナフサ動向が強く反映され業績が悪い=PERが高い時が買い時となる場合がある、(3)PER1桁台となっても、企業収益の悪化見込みなどから更に業績が悪化する可能性がある「バリュートラップ」などに注意をする必要があります。

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