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いざ、かんぽの宿へ -ニアプライム-

2009年02月27日

先週、車を買い替えた。下取りが1,000円だったVWニュービートルは2001年に友人の損保のファンドマネジャーの紹介によって半ば強制的に買わされたものだ。自動車保険が主力の損保は、ディーラーとの関係を強化するため車両紹介が重要な仕事であり、その損保ではファンドマネジャーまで車両紹介のノルマがあった。全くいい迷惑で、買ってから8年間ほとんど利用したことがなく、バッテリー上がりのため損保のロードアシストサービスを10回位利用した。最後は1年間放置した結果、ガソリンが腐り、バッテリーだけではなく、エンジンが壊れ、動かなくなった。何とかディーラーに搬入したが、ほぼ修理不能状態だった。販売台数が前年の半分以下に落込んでいるというVWの営業マンには鬼気迫るものがあり、気がつけばポロを買っていた。ダウングレードしたとはいえ、金融危機が深刻化する中、乗りもしない車を買うのは自殺行為というしかない。でも買ってしまった以上は、一度くらい利用しないと勿体ないので、友人と温泉旅行で話題のかんぽの宿に行ってみようと思っている。

かんぽの宿問題は鳩山大臣の理不尽な言い掛かりにしか思えないが、不思議なことにこれで鳩山大臣の人気が上がり、ポスト麻生に名前が挙がるほどだ。不動産やM&A関係者の中に、この入札が不正で、譲渡価格が不当に安いと思っている人は皆無に近いだろう。しかし、日本郵政の西川社長の対応がまずく、世論を味方にできず、一番高い入札価格を提示したオリックスが何となく悪者になってしまった。オリックスは土地代を含めた建設費2,400億円の不動産をわずか108億円で手に入れ、濡れ手に粟のぼろ儲けをする筈だったということになっている。竹中平蔵氏と並び小泉構造改革の象徴だったオリックス宮内会長に対する世間の反感がいかに強いかがわかる。しかし、実際はぼろ儲けどころかリスクの高い投資だ。かんぽの宿70施設のうち黒字は11施設のみ。年間50億円の赤字を垂れ流している状況で従業員を引継がねばならず、追加の設備投資も最低200?300億円必要といわれている。第一次入札はリーマンブラザーズ破綻前の昨年8月であり、その後の不動産市況の一段の悪化を考えれば、再入札で108億円以上の価格を引出せる可能性は乏しいだろう。赤字を圧縮して事業価値を高めて高く売ろうという考え方も基本的に間違っている。当然、買い手は買収後の改善を見込んで入札するからだ。バルクセールをやめ、個別に売れば高く売れるというのもナンセンスで、そんなことをすれば悪いものだけが残ってしまう。時間が経過すれば、さらに赤字が積み上がるため、譲渡価格のハードルは一段と高くなる。そもそも民営化から5年以内(2012年9月末まで)の売却が日本郵政株式会社法で義務付けられておりそれほど猶予はない。全く余計なことをしたものだ。

救いがたいのは民主党などの野党3党も鳩山大臣に付和雷同し、追及チームを立ち上げたりしていることだ。追及すべきは天下り先確保のために無駄な施設をつくった旧郵政官僚や政治家、そして理不尽な政治介入をしている鳩山大臣の筈なのに。この調子では民主党政権になっても「みぞうゆう」の経済危機を脱するのは先進国で日本が最後になるだろう。

Written by ニアプライム

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