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アナリストコラム

SNSは地域別の会員数を押さえる必要があるだろう −鈴木 崇生−

2010年04月16日

以前、本メルマガ上でSNSは会員の獲得が本格的な競争に入っていることを述べた。今もその考えに変わりはない。mixiが2,000万人を突破、アメーバピグが300万人を突破と会員の獲得は続いている。この流れは今後も続くと考えられる。

しかし、以前述べた通りアクティブ・ユーザーの獲得に焦点を落とせば上記の数字を単純に評価することは出来ないと考える。SNSのビジネスモデルは大きく分けて2つ、広告と会員からの課金であり、会員からの課金は会員数を集めなければ話にならない以上会員数の増加は評価できるポイントだが、SNSへの登録自体は容易い。幽霊会員を集めても意義は薄かろう。

集めた会員からお金を集める手段としてTIWで注目しているのがゲーム、ないしゲーム性である。
注目している理由は家計に占める消費支出にある。消費支出は収入の減少から絞られている状況にある。物価の下落した側面も考えられるが、収入が減る中で消費に対して家計が慎重になっている側面は否めないだろう。しかし、その中でもテレビゲームへの支出額は増加している(平成17年と平成19年)。従って、SNSへ展開されているアプリケーションも、ゲームであれば課金へと結びつくのではないかと考えている。

ただし、地域別に見ると濃淡が見られ興味深い。例えば北海道では0.078%から0.217%と倍以上へ上昇しているのに比べ、東北では0.097%から0.092%へ小幅ではあるが減少している。

各社ともに広告宣伝費を投じ全国的に会員の獲得を模索しているのが現状である。翌期の営業増益を見据え、あえて当期中に広告宣伝費を投じている(投じていた)企業も見受けられるが、ペイするのかどうかについて懐疑的な側面を併せ持つ。課金者は非課金者に比べた優位性(自己満足を含む)を得るために課金していると考えられるため無課金者を集めることが一概に無意味とは言えないのだが、小職の場合、極端な話、会員数の純増を地域別の寄与で見た場合に東北の割合が高ければ素直に評価し難いし喜べない。

以上が地域別の会員動向を押さえる必要性に関する小職の見解である。地域別の会員数について開示のない会社もあるが、ぜひ決算と同時の開示をお願いしたいところだ。

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