メニュー
今週の注目レポート

セントポールは輝きそこねたが、夢をありがとう -Forever Young-

2014年11月14日

10月、最後の土曜日は朝から神宮球場へ出かけた。おしさん、おばさんの7人でバックネット裏の3累側に近い席を陣取った。みんな学生時代のクラブの同級生。母校学生応援席に近い側に自然に足が向いた。相手は「白雲なびく駿河台 」。相手先発投手は先日のドラフトでオリックス1位指名の左腕エース。見るからに大きい。早い。とても打てそうにない。力は相手が上だ。と思ったが我々の応援が通じた。スクイズと相手の暴投でもぎ取った3点を2年生エース(高校では阪神タイガース藤波の控え)が守りきった。満塁、ピンチが続いたが何とかあのMに勝ち母校は15年ぶりの優勝に王手をかけた。

9月中旬から始まった秋季リーグ戦。母校、キリスト教の精神、セントポールは第二週から登場。先ずは市ヶ谷のオレンジ軍団に2連勝すると勢いづいた。続く三田、そして次の赤門にも連勝し6連勝の快進撃だ。Mと並び勝ち点3で縦縞ユニフォームがトップを走る。我々学生の頃は赤門と常に最下位争い。もちろんこんな経験はない。次に高田馬場を破れば優勝に大きく近づく。しかし、先勝したものの、その後、連敗し稲穂を刈り損ねる。ところが、幸いMが三田に連敗、Mとの直接対決で勝ち点を上げれば優勝の運びとなった。

そこで、神宮球場に集合した。前回が15年前、その前は相当な昔話になるらしい。勝利の瞬間を見届けると高らかに校歌を歌いあげ、懐かしいエールの交換を見て球場を後にした。その夜は再び池袋に集合。よく通った庶民向けすし屋。今でもまだ営業なんてすごい。野球に余り興味のない昔の女子大生も加わり一段とにぎやかになり、前祝と酔いしれた。「今日はピンチでお家芸のトンネルが出なかったね」、「だって数年前にスポーツ推薦を始めてからレギュラーの殆どが甲子園経験者で鍛え方が違う」、「チエは勝てると思って行った赤門戦での敗戦がトラウマになって神宮に足が向かなくなった」と野球談話で始まり、昔話、卒業後、家族、最近のあれこれと話は尽きない。

結局、翌日曜日は土壇場で奇跡的に追いつくも延長線の末ドロー。続く月曜、火曜と連敗しあと一歩で優勝を逃した。最後はスポーツ推薦の歴史の差、層の厚さの違から力尽きた。祭りの後の同級生とのメイルのやり取りである。「実力的にはMが上だと内心思ったけれど、何十年ぶりかに集まった私たちのために!奇跡的な「勝利」をプレゼントしてくれ、また最後まで夢を持たせてくれありがとう」、「結果は残念だったけれど、一番の目的はみんなに会うこと。学生時代の仲間ってほんとに宝だね。二度と手に入らないものね。」と続く。そう、たったの4年間だったけど熱い青春時代を共に過した仲間。幸運にも昨年、再会を果したが一緒にいると何故か落ち着く一生の宝物。母校の活躍が宝物との結びつきを強めてくれた。来年もチャンスはある。夢はまだ続く。スポーツ推薦導入ありがとう。セントポールの躍進、そして、最近、本塁打を含め攻撃力を高め、僅差の試合を度々展開する赤門の連敗脱出も近いと思われる。今、神宮球場、東京六大学野球が熱さを増している。

Written by Forever Young

  今週の注目レポート〜F’sセレクション TOPへ戻る