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震災から学ぶ -Cranberry Jam-

2016年03月11日

震災からちょうど5年が経ちました。記憶は時の流れと共に少しずつ風化していくものですが、あの日を境に生活が一転した方々にとってはまだ生々しい記憶が残っていることでしょう。

 

陸前高田では、復興のために大規模な工事を行っています。町全体の土地を嵩上げする工事です。海に流された町を、山を切り崩した土で埋めていくのです。最大で14メートル高くなります。2019年の完成を目指しており、多くの人がいまだに仮設住宅で暮らしています。

 

仮設住宅で暮らすSさんは、熱心に手芸に取り組んでいます。縫い物をしている間は無心になれるので、辛いことを思い出さずに済むのだそうです。あの日、Sさんの夫は「孫を助けに小学校に行く」と言って車で出て行ったきり、帰って来ませんでした。2人の孫も命を落としました。皮肉なことに、学校に残った他の児童は、教師の誘導に従って避難して助かりました。

 

私はあの震災から色んなことを学びました。まずは日常への感謝です。変わりない日常を送っていることの有り難さ、生きていることの大切さ、周りの人たちへの感謝の気持ち。そして防災への意識です。避難場所や避難経路を事前に考えておく、家族との待ち合わせ場所や連絡方法を決めておく、テレビや棚が倒れないようにする。あの震災のことをしっかりと思い出し、そしてそこから学ぶことが、亡くなった方々への供養にもなると思います。


Written by Cranberry Jam

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