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サンタクロース -Cranberry Jam-

2014年12月19日

-?サンタクロース?

もうすぐクリスマス。街にはクリスマス曲が流れ、着飾ったツリーが街並みに華を添えています。クリスマス(Christmas)は「キリスト(Christ)のミサ(mass)」という意味なので、本来は教会に行って祈る日なのでしょう。日本では本来の意味合いは失われ、すっかり恋人の日となりました。そして子供にとっては勿論、サンタクロースがやって来る日です。

幼少の頃の私にとって、クリスマスは一年で最大のイベントでした。身長より高いゴールドクレストに星や鈴や綿雪などで飾り付けをする作業も、欲しい物リストの中からサンタさんにお願いする物を1つに絞り込む作業も、多少の困難を伴うもののとても楽しかったことを思い出します。

サンタクロースはいつも私がお願いした通りの物をくれました。でも一度だけ、全く違うものが届くという事件が起こったことがありました。その時に交わした家族での会話は、よく覚えています。なぜお願いしたものが届かなかったのか、家族みんなで話し合いました。その結果、「サンタさんは外国人だから手紙の日本語を正しく理解できず、誤解してしまった。」という結論に達し、私は妙に納得しました。

あるとき同級生の早熟の男の子が、「サンタの正体は母親だ」と言い出しました。彼は地動説を唱えたコペルニクスのように支持されませんでしたが、私の心には小さな疑問符が残りました。その疑問は、しかしすぐに払拭されます。その年のクリスマスは、私の枕元だけでなく母の枕元にもプレゼントが置かれていたのです。私は確信しました。「サンタ=母親説はやっぱり間違ってる」と。そして「サンタさんはお母さんを子供だと勘違いしたんだ」と思い込みました。

大きくなるにつれ自然とその正体に気付くものですが、私は周りよりも随分遅くまで信じていました。煙突がないのにどこから来るのかな?鍵がかかっているのにどうやって入ったのかな?包装紙がデパートのだけど買うとき目立っただろうな、などと思いを巡らしていました。

真実を知ることは時に残酷でもあります。その瞬間は思いがけない形でやってきました。クリスマスの一週間くらい前、ちょうど今くらいの時期です。唐突に・・そう唐突に、「今年からもうサンタさんは来ないよ」と、母から宣告されたのです。その理由を聞かされた時の衝撃は、今でも忘れられません。

先日あるお店で、棚の高いところに子供へのプレゼントが包装されて並んでいました。何故こんな高いところに?と疑問に思いましたが、子供の視界に入らないよう配慮してあるようでした。子供の夢を大切にする気の利いたお店だなと思いました。今年もたくさんのサンタクロースが、夢見る子供のために奔走することでしょう。

Written by  Cranberry Jam

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