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紙でつながる文化を大事にしたい -Forever Young –

2016年11月18日

毎日、日が短くなる。年末調整の用紙が会社から配られた。今年も残りわずかだ。年賀状はどうしよう。後回しにしよう。なにしろ忙しいし慌ただしい。なんで年賀状なんか書かなければならないのだ。かといって、少し落ち着く大晦日やゆっくりしたい正月に賀状書きなんてやっていられない。ヨーロッパで暮らした当時はよかった。年賀状という文化から解放された。毎年、この季節になると同じことを自問自答してきた自分がいた。
あらゆるものがインターネットでつながる時代に入った。クルマも家も家族も。ひと昔前ように重たいパソコンを持ち歩く必要はない。スマホでたいがいのことはできてしまう。モバイルを持たなくてもクラウド技術の登場でどこにいようがなんでもできてしまう。近くの仕事上の関係者であろうが遠くの友人、そして外人とであろうが他人とこれまで以上に頻繁に早く、そして濃く関わることが今では可能だ。

年賀葉書の利用状況は着実に減っている。近年は減り方がやや加速しているようだ。少子高齢化、人口減、核家族化の流れにある中、そんなことは当たり前だ。しかし、人口一人当たりの年賀状発行枚数という統計の取り方をしてもグラフはほぼ同じ減少カーブを描く。他人との付き合い方や慣習に対する姿勢の変化に加え、インターネットやソーシャルメディアの普及が間違いなく大きく影響している。郵便局の人がいくら年賀状の販売を頑張っても大きな変化には敵わない。もし、僕が今の若い世代だったら、そもそも年賀状には否定的な考えが昔は強かったし、年賀状なんて書かない。時代はもうデジタルなんだ。

でも、今は、電子でなんでもつながる時代であるが故に紙ベースのつながりを大事にいたいと思う自分がいる。電子に比べ紙ベースでは一字一句に人の個性が大きく出るような気がする。年賀状ではそれがより顕著に現れるように思える。また、師走の忙しい中で練られた絵柄や短い言葉から書き手の思いがより深く伝わる。変わらぬ個性を維持しつつ干支に合わせ図柄を変え元気な様子を伝えてくれるのも嬉しい。また、ITリテラシーが高いと思わる人が凝った賀状を送ってくっれたりといった驚きや発見もある。やはり元旦は賀状が楽しみだ。忘れがたいのは死と向き合っていた友人がその直前に忙しく働く僕に賀状でエールを送ってくれたことだ。電子にはない趣が紙にはある。完全にデジタル人間にはなりきれない。賀状とはずっと付き合うのだ。そろそろ気合を入れて取り掛かることにしよう。

Written by Forever Young
 

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