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新ダイエット -Cranberry Jam-

2013年11月01日

体重計に乗るたびに、その数字のわずかな変化に一喜一憂する女性は多いと思います。かく言う私も、その一人です。特に大台に乗った乗らないの差は、大きく感じるものです。テレビ番組のダイエット特集は何となく見てしまいますし、本屋でダイエット本に食指が動くこともあります。

そもそも人はなぜ太るのでしょうか。400万年前に猿人が誕生してからというもの、人類は常に飢餓と隣合わせでした。農耕の発明が1万年前、飽食の時代を迎えたのはわずか数十年前のことです。24時間に換算して400万年前を0時、現在を24時とすると、農耕の発明が23時56分、飽食の時代は23時59分59秒です。長い間飢餓と戦ってきた人間には、エネルギーを脂肪として体内に蓄える遺伝子があり、飽食の現代にもそれは機能しています。この倹約遺伝子こそが、私たちを苦しめているのです。

そのような現代女性にとって、神と崇めるべき人がいます。香川大学の何森先生です。レアアースならぬレアシュガーの大量生産に、世界で初めて成功した人物です。レアシュガーであるプシコースは、ブドウ糖によく似た構造をしています。プシコースがブドウ糖の代わりに受容体を埋めることによりブドウ糖の吸収を妨げ、結果的に摂取するだけで体重が減るというのです。

今から30年前、プシコースの価格はわずか1gで4万円でした。研究をしたくても、地方大学の少ない予算では、ほとんど買えませんでした。そこで何森先生は大胆に発想を転換し、買えないなら作ろうと考えたのです。安価に手に入る果糖のような糖を、レアシュガーに変える働きを持つ未知の酵素を探し始めました。長くて孤独な旅の始まりです。存在するかどうかも分からない未知の酵素を求めて、野や山や海や川から土をかき集めること5000箇所以上。しかし何の成果も上がらず、周囲からの理解も得られず、ただ虚しく月日が流れるばかり。
ようやく陽の目を浴びたのは、10年目の夏のことでした。そして、皮肉にもと言うべきか、運命的にもと言うべきか、津々浦々から土を集めたのですが、新酵素が出てきた土は、なんと研究する香川大学の構内の土でした。少ない予算にも関わらず、あきらめず、粘り強く研究を続けた結果、世界的な発見が生まれました。

「摂取するだけで体重が落ちる」と聞くと、なにか新手の詐欺かなと思いそうですが、どうやら本当に効果があるようです。世にはびこる様々なダイエット方法にトライ・アンド・エラーを繰り返してきた私ですが、今回ばかりは目に見える成果を期待できそうです。

Written by Cranberry Jam

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