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人の役に立て -Hoppy-

2013年07月12日

「人の役に立て、人の役に立て」若い頃にとあるところで聞かされ続けたこの言葉は、あんたの役に立てと言っているんでしょ、と思っていた。

3人で切り盛りしている居酒屋に行った。平日は繁盛も、土曜はお客さんの入りにむらがある。平日に比べ余裕はあるが1人店舗運営は傍目からは無理に見える。
17:00の開店に合わせて向かうと、6人組が入り口近くにいて開店をまっているようだった。私たちと合わせて10人である。外観からは準備途中の感があるが中に入る。
「スタッフの○○は帰っちゃって、今日は1人なので待たせるかもしれないけど、よろしければどうぞ」とのことだった。待つかと思ったが杞憂であり、ドリンク、料理の順番でこんなに段取りよくできるものかと「すごい」と思わせるオペレーションだった。

後日、「帰っちゃって」といっていたスタッフはその場で辞めていたことが判った。待遇のこともあるようだが、もっと大きな意識の差の問題があった。オーナーは薄利多売でお客さんに喜んでもらいたい、スタッフは利益重視と効率性を求めていた。スタッフもお客さんの顔を見ながら料理するのは反応があって楽しいといっていたが、忙しい中で考えにブレが生じたのかもしれない。また、オーナーとスタッフとでは、借入金、地域の中でのポジショニングなど考えている範囲も違いすぎたのかも知れない。

オーナー曰く「しょうがないですよ、根本的なところが違っちゃいましたから、マインドが一致しないと厳しいですよ」、「来てくれるお客さんが喜んでくれるのが1番、それは安くてうまいでしょう。俺はお客さんのためにやっている」、などなど。料理人の家に生まれ、独立したく、今があるオーナーは普段は温和すぎるぐらいの風貌だが話す内容はブレない、ものすごい働いている。

「人の役に立て、人の役に立て」斜に構えた一部の人は「宗教ちっく」と揶揄することもあるこの言葉は、普段一生懸命に真剣に仕事をしている人ほど無意識に行動規範となっているのかもしれないと、思い当たるふしがでてきた。

さらに後日、さすがに2人では1日で白目になるくらい忙しく、オーナーの友人経由で有名店のスタッフとその弟がその場をしのぐため手伝いに来て、その弟さんを鍛えていた。さすが有名店スタッフ、天職といえるようなオペレーションである。オーナーは優しく教えているように見えるが、その姉ちゃんが鬼教官のごとく弟を鍛えていた。頑張れ弟。

Written by Hoppy

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