毎日通るわけではないので気づいていなかったが、最近になってレトロな名物ビルであった、九段下ビルが更地となっていた。このビルの存在を知ってから20年近くになる。取り壊されたことで特に感慨深いものはないのだが、3.11の大震災後も外部からは崩壊した様子もなく、見た目以上に丈夫であるなと感じていた。私の中では、有楽町にあった三信ビルと並んで記憶に残るビルであった。

昨年まで部分的に剥落防止のネットがかかりながらも2店の喫茶店が営業をしていたが、年末にかけて閉店、住民も退去していたようだった。その後、一時的に芸術家の方々の展示会をしていたようだが、それも終了して、完全に廃墟となっていた。

最後まで残った2店の喫茶店はランチメニューが比較的充実していた。私の中では、一店は、野菜を取ることに気をつけた松花堂弁当風のランチセット、もう一店は、昔ながらのランチプレートのしょうが焼きかカツカレーを食べていた。職場から近いこともあり、月イチぐらいで利用していた。

この機会にウキペディアなどを見てみると、関東大震災後に建設されて当時のランドマーク的存在であったことや地上げにあっていたことなどが記述してある。これがランドマーク的存在だったのも驚きであるが当時としては目立っていたのだろう。地上げのことは、思えば、このビルを撮影していた人が時々いたなと思い出した。いろいろなことがあったようだが、モノは諸行無常なのでしょう。

Written by ねはん