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優待銘柄のオススメ -TIWは個人投資家の味方です-

2012年12月07日

先日、弊社でカバーしていた外食企業(クリエイト・レストランツHD:3387)が株主優待をリリースしたことで、大幅高(15.5%)となり、年初来高値を記録した。
これまで、個人的には株主優待は株価には関係が深くなく、インパクトは少ない、という見方を持っていたが、その見方を少し改める必要がありそうだ。

株価に対し、株主優待(現金換算ができる優待を対象)と配当を合算した”優待+配当利回り”は一般的に認知されており(クリエイト・レストランツHDは、11月現在で株価が1,700?1,800円前後であり、100株以上購入すると年間6,000円、1,000株購入すると年間6万円の同社グループでのお食事券がもらえる。また、1株あたり配当金が48円と100株当たり6,000円の優待を合計すると、”優待+配当利回り”は6%相当となる。)、個人投資家にとっては投資スタンスを決める一つのファクターと考えたため、傾向を調べてみた。

尚、余談ではあるが、日本証券業協会ではアナリストレポート等に配当利回りと優待利回りを合計して表記する事を禁じている。

日本経済新聞社 『株主優待ハンドブック 2012-2013年版』によると、
㈰ 株主優待を実施する企業は年々増加傾向にあり、11年-12年共に実施企業は1,000社を超えていることから、株主優待は株主拡大の為のマストアイテムになっているようだ
㈪ 優待実施企業数について、業種別で精査すると1位が小売業であり(253社)、2位がサービス業(114社)、3位が食料品(106社)、4位が卸売業(103社)である。やはり小売業などは優待品として提供しやすい自社商品を持っていることなどが優待を行いやすいもようである
㈫ 優待内容で4割を占めているのは、821社が採用しているのはギフト券であり、2位が食品となっているとのこと
㈬ パスポート(7577)は1,000円分のクオカード、松屋(8237)はフィンランドのテーブルウェアブランドであるイッタラのガラスボウルなど、株主総会でのお土産も一つのポイントとして、注目を集め始めているとのこと

今回のクリエイト・レストランツHDの大幅高は、
同社が直営で展開する外食企業(上記の㈪で1位である小売業に該当します)であることから、元々、自社の店舗で利用できる食事券の提供を行いやすく、配当+優待利回りも高かったため、個人投資家に好感を持たれる形で、株価が上がったと言えるのだろう(忘年会や新年会の時期であったことも少なからず影響しているのではないか、と個人的に考えております)。


一つの評価として、株主優待に熱心に取り組む企業は、株主に対する考え方を確りと持っており、IRを真面目に行っている企業といえるのではないだろうか、と考える。

尚、TIWでは一橋大学の円谷準教授と株価と株主数の関係性について調査した結果、株主数が多ければ多いほど、株式の流動性は増し、引いては株式価値が企業の価値に準じて大きくなるという調査結果を提唱している。
株価評価を上げたいと考える企業は、増配だけではなく、個人投資家から好感を得やすい株主優待を行う事で、長期的な投資家の確保に努め、株価を上げることを検討されてはいかがだろう。

株式は何かと一喜一憂することが多いが、
時折は、個人的な好みや、興味の惹かれる優待商品など、特定の企業を見つけ出し、株価とは違って、毎年確定した優待を受け取るのも、投資の楽しみなのではないか、と考えた次第である。

*優待銘柄例
直近の12月に権利確定月であり、同書で配当利回り5%以上の企業で2例を抜粋
また、”配当+優待利回り”は優待品を貰える最低基準での優待利回りで算出

ノバレーゼ(2128) 
配当+優待利回りは11月現在で6%台
1株以上でクオカードおよびレストラン優待券
1,000円分相当のクオカード1枚および自社レストラン利用30%割引優待券1枚

日本和装ホールディングス(2499) 
配当+優待利回りは11月現在で6%台
1株以上 500円分のクオカード
5株以上2,000円相当のVJAギフトカード

*同書で特にオススメであった優待銘柄
全日本空輸(9202) 
配当+優待利回りは11月現在で4%台だが、
1,000株(11月現在で株価170円前後)以上の購入で、国内線片道1区間50%割引券を1枚、2,000株以上で2枚貰える。1,000株以上でANAグループのホテル旅行、買い物割引券が貰える。ただし、搭乗優待は1年、ホテル等優待は半年の有効期限有り。

コロワイド(7616)
配当+優待利回りは11月現在で6%台
500株以上の購入により、コロワイドグループで使用可能な優待券を年間2万円もらえる。

共立メンテナンス(9616) 
配当+優待利回りは11月現在で5%台
100株以上で自社のリゾートホテルの割引券(株主優待券1,000円)が貰える(100株以上だと年5枚、500株以上だと年14枚、1,000株以上だと年35枚など)。

ビックカメラ(3048) 
配当+優待利回りは11月現在で10%台
2012年度より年2回、買い物優待券が年間合計で一株以上3,000円、5株以上5,000円、10株以上1万円、100株以上で5万円もらえる。
また、長期保有にメリットがあり、1年以上保有すると1,000円、2年以上で2,000円が追加される特典がある。

吉野家HD(9861)
配当+優待利回りは11月現在で5%台
サービス券(300円相当)を1株以上で10枚(3,000円)、10株以上で20枚(6,000円)、20枚以上で40枚(12,000円)貰える。
 

*タイミングについて
売買タイミングに関しては、その時々の市場動向や個別の銘柄で状況が大きく異なるため、基本的にはアノマリー(客観的に説明出来ない市場の動き)である、とお考え下さい。

同書が”優待名人”として紹介しているサイトによると、『株主優待銘柄は権利日残り1ヶ月の最初の1週間で購入すれば最安値で買う事が出来、最後の1週間で売る事ができれば、ほぼ最高値で売却できる』と自説を展開しております。

理由は、優待購入予定者は直前に安く買える時期を探すものの、優待日が近づくにつれて、株の上昇に耐え切れず、1週間前程度で購入するからであり、
一方で、優待直前売却予定者は直前まで上昇を待っているが、最後の1週間で株の下降が始まるとあわてて売りに走るからではないか、という推測をしております。

*売買タイミングやどの銘柄(優待品に興味があっても、業績が悪化している企業は避けるなどや、配当+優待利回りで非常に高いと言って投資される事なく、何故その株価で放置されているのか、など多面的に考えていただくと幸いです)を売買するかなどについては、くれぐれもご自身のご判断で行って下さいますよう、お願い致します。

 Written by TIWは個人投資家の味方です

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