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文系?理系? -wildernesswolf-

2013年08月09日

日本では、古くから文系タイプ、理系タイプと類型化して考える習慣があるようだ。血液型もそうであるが、米国をはじめとして欧米ではこのように決まった型に填めて人を判別することは殆ど無いようである(そもそも米国では文系、理系と言う概念が薄い)。日本人はパターン化して物事を捉えるのが好きだと言ってしまえばそれまでであるが、日本の大学受験制度が大きく影響しているようにも感じられる。

或る学習教材会社のWebには、高校生を対象に文系・理系の選択方法として、二つの考え方が記載されている。1)将来の目標から考える、2)大学で学びたい学問から考える、とある。ただし、『興味のある学問や、その学問を学ぶうえで必要となる知識を調べるとともに、興味のある大学・学部の入試科目をチェックして文理選択を考えましょう。』と書いてあり、現実的に考えることを促しているように見える。

共通テストでは英語・国語・数学の他に社会2科目、理科2科目の合計7科目が課せられるが、共通テストを受験しない私立大学では一般的には3科目、少ない場合は2科目というケースもある。
文系科目は一般的に、英語・国語・社会選択科目(2科目の大学は、英語・国語、英語・選択科目)となる。理系は、英語・数学・理科選択科目(2科目の大学は、英語・数学、数学・選択科目)となる。

理系を受験するには数学を選択することは必至であり、文系は配点でも英語のウエイトが高い場合が多い。つまり、入試科目で文系・理系に進路が分けられているのが実態である。

文系科目の多くは、(大学のレベルによって異なるが)根源的、本質的な考察を求めるというよりも、効率的、反復的な学習態度を求めるものが多い。細かい点に拘泥していたのでは出題範囲を満たす学習が困難になる。一方で理系科目は、本質的理解や考察を求めるものが多く、基礎学習を怠ってしまうと先に進めないものが多い。
こうして考えてみると、学習方法や性格が文理の決定要素として大きい可能性が伺える。

文系科目も理系科目もどちらもこなせるタイプの人はどうだろうか?根本的に頭が良いと言ってしまえばそれまでであるが、実は状況に応じた切り替えが出来る人でないかと思う。
基礎原理の正確な理解が重要である科目と反復的な学習が有効な科目を区別して学習する態度が幼い頃からから身についているのであろう。

ここまで文系、理系という切り口で話を進めてきたが、個人的には国語、数学、物理、化学が前者(基礎原理の理解が重要)、英語、生物、地学、社会全般が後者(反復的な学習が有効)に当てはまるように感じる。勿論、これは受験科目としての扱いであり、専門課程はこの限りではない。

実は学習態度と仕事は関連性が強い。仕事の出来る人は、a)高い観察力や考察力が求められる緻密な仕事と、b)一定の正確性を確保しながらスピードが優先される仕事、を適宜に判断できているように見受けられる。
色々なことを経験し、こなしてゆく事でしか結果的に仕事の質や処理能力は向上しないのだろう。しかし、仕事の内容を文系型・理系型などと分けて考察してみるのも、仕事力をアップする面では、偶には必要なことかもしれない。

Written by  wildernesswolf

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