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デフレ? それともコモディティ化?-wildernesswolf-

2014年11月28日

私は基本的には、提示された価格を値切らない。
その値段が合理的だと思えばそれに従うし、高いと思えば買わないだけである。
やたらめったら何でも値切る人は、値切るという行為に喜びを見出しているか、そうでなければ、そもそも自分自身の価値基準がないか、のどちらかではないかと思ってしまう。
自分自身に価値基準を持たない人は、値切れるだけ値切ったところが妥当な価格と考えているのかもしれない。でも、そういう人とは長い付き合いはできないし、結果的にどこかで上手に騙される運命ではないかとも思う。

しかし、世の中では、特にビジネス(B2B)では値引きが当たり前になっている。それは、購買責任者にとっては、自身の交渉力でここまで値段を下げさせたという印を自社内に示すことが求められる場合が多いからである。その結果、或る程度の値引きを考慮した価格づけが行われることになる。

購入する意思がある中で、値引きを要求するのは決して悪いことではないと思う。しかし、購入の意思が無い中で、値引き価格の提示を求めるのはフェアではないと思う。冒頭で、私は基本的には値切らない、と述べたのはそういう意味である。或る程度の値引きが前提となっている価格付けに対しては値切っても良いと思う。もちろん、それを要求するからには購入することが前提である。こちらが売り手である場合は、購入の意向を示さない見込み客には値引き価格を絶対に言わないことにしている。

複合機など汎用的な製品においては価格交渉が中心になりやすいのは仕方ない。こちらはまだ検討を始めた段階で、購入する意向を示していないにもかかわらず、「幾らだったら買いますか?」と逆指値を求める販売者も居る。しかし、その手に乗ってはいけない。彼らはこちらに価格を言わせることでイニシアティブを獲得しようとしているのだ。

さて、ビジネス商材のネット販売が広がっている。その理由は、買い手も最初から最安値を見つけることが可能であり、売り手にとっても煩雑な交渉を避けられることが可能であるからであろう。ネット販売が可能なものは原則的に汎用品(コモディティ)である。
しかし、形の或るものだけでなく、デザイン、設計、ライティング(執筆)、事務作業など知的サービスまでもネット商材になりつつある。こうした分野のコモディティ化の波はまだ始まったばかりかもしれない。
厳しい時代になった。まだまだデフレは終わりそうも無い。

Written by  wildernesswolf

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