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スタートトゥデイ-wildernesswolf-

2015年05月01日

 或る案件で「社内の決済が降りた」、という連絡がA社の業務マネージャーから連絡が来た。
「つきましては、来週ミーティングをお願いしたい」、と言う。
A社は少々遠方にあるため、丸1日予定が空いていないとちょっと厳しい。生憎、翌週は予定が詰まっていた。「再来週にしていただけないでしょうか?」とお願いしたのだが、マネージャー氏は、「良いと思われることは決まった以上は1日でも早く取り組みたい」、など、色々と言って頑強だ。
仰ることも分からないでもないが、決済までに時間がかかっているだけに随分性急な感じがした。なにより、予定を変更するのはかなり困難な状況であった。

その案件はもともと筆者の友人であるA社のオーナー(Sさん)を通じてお願いしたものだったので、「それでは私の都合で対応できないことをSさんにお伝えしてご了承いただくのはどうでしょうか?」、と言うとマネージャー氏は驚くくらいあっさりと折れた。

なんてことはない。社内都合だったのか。電話口で頬が緩んでしまう。
確かにオーナーのSさんは仕事が速いし、それを他のメンバーにも要求するタイプである。マネージャー氏にしてみれば決まったことに対して上司から動きが遅いと思われることが嫌だったのだ。宮仕えはそういうところが大変なんだろう。

また、別件で次のようなことがあった。
或る会社と別の会社の間の連絡等を筆者が調整していたのであるが、一方の会社の社長(K氏)から不満が出た。筆者を間に入れずに直接やり取りをしたいとのことである。筆者もメールを張り付いて見ているわけではないし、電話も何時でも取れるわけでもないので、直接やり取りするよりは多少のタイムラグが出る可能性がある。しかし、メールに気づけば直ぐに対応しているし、電話も折り返している。もう一方の会社の担当者(O氏)と相談して折り返す、ということになりO氏に電話をしたがミーティング中だ。と思っていたら、K氏を筆者に紹介した人から電話がかかってきた。K氏から電話があって、「(筆者を外して)直接やりたいと言っているのだがどうだろうか?という相談があったのだけど」、という。
「こちらはできる限り対応しているにもかかわらず、なんて失礼なんだ」と思わず憤慨した。

これはちょっと続けられないと思い、O氏にそれを伝えようと思い電話をしたら、O氏は外出してしまっていた。漸く、夜になってO氏に電話が繋がったら、既にK氏からは連絡があったとのことである。本当に失礼な人だ(こちらにはその旨の連絡は全くなし)。
筆者が入っていることでO氏の手間を結果的にかなり軽減していたはずである。細かい資料の請求・質問、迅速なレスポンス要求、等々をダイレクトにぶつけていったらどうなるだろうか? 結構短気なO氏は段々面倒になるのではないか?こちらは肩の荷が下りるとともに心の中でザマーミロという声がした。

この二つに共通するのは、一般的に経営者はスピードを要求するということ。また、どんなに迅速で動いていても(相手先等の都合で時間がかかったとしても)それを信用しないということである。
そう言えば”スタートトゥデイ”という社名の会社があった。アパレル・ネット通販の会社の社名としては些か不可思な感じがしていたのだが、謎が解けた。
社員や取引先に対して、迅速に動くことを要求していているのだ。確かに、社名が”スタートトゥデイ”であれば嫌がおうにも、常に意識せざるを得ない。なるほどね(笑)。

By:wildernesswolf

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