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「Yahoo!株価予想」が当たらなくなった理由 -wildernesswolf-

2016年02月26日

Yahoo!株価予想で投資の達人として登場する「プロ」(???)の勝率ならびにパフォーマンスが今年に入ってから軒並み著しく低下している。
それが影響しているのだろうか、Yahoo!はそれまで結果を『当たり』、『外れ』と大々的に表示していたのを取りやめた。

「プロ」の勝率・パフォーマンスが低下したのは、今年に入ってからマーケットが下落したことが要因ではない。事情通の方によれば、銘柄の掲載ルールが昨年の暮れごろに変わったことが大きな理由のようだ。以前は、前場の寄り前9:00ぎりぎりまでに推奨銘柄を掲載することが可能であった。その締め切り時間が8:40までに変更された。

ここでは良いとか悪いとかについては敢えて言及しないが、Yahoo!株価予想は古い言い方をすれば”ちょうちん記事”である。銘柄が根本的に良いかどうかは実はあまり問題ではなく、人気のある「プロ」に投資家が飛び乗ることによって株価が上がるだけに過ぎない。短期的に需給を高めるだけのものだ。所謂「イナゴ投資家」向けのツールとなっている。
もちろん、アナリストレポートや企業のIRも需給を高めるという意味では結果的には同様の効果も持つが、1日、場合によっては数時間といった超短期的なものではない。アナリストレポートは、最終的には株価を評価するものであっても、中身を紹介(または評価)することに主眼が置かれているという点で似て非なるものと考える。

今回、変更が行われたのは、掲載時間が9:00だと朝の寄付ではだれも買うことが出来ない、ということに一部の個人投資家からクレームが発せられたことによる模様である。誰も買うことが出来ない時点の株価を基準に『当たり』判定を行うことは、不当な表示であり、それを用いて投資家を誘導することはある種の株価操作ではないか!、という指摘である(株価操作に該当するかどうかをここでは一切言及しない)。

さて、8:40に変更されたことによって、始値がその日の高値になりやすいということが生じやすくなった。その結果として、人気のある「プロ」ほどその傾向が強く、パフォーマンスが悪化するということが生じている。

私自身は、個人投資家の啓蒙・育成を阻害する可能性があるだけに、Yahoo!株価予想からは距離を置いてきた。今回のYahoo!のルール変更は、長い目で見ると個人投資家ならびに業界にとって良いことだと思う。
そこで商売をされていた方にとっては痛手ではあるだろうが、これを機会に個人投資家の方々には、需給だけでなく、会社の収益性や成長性、株価バリュエーションを考慮した投資へと一歩前に進んでいただきたいと切に願う。

Written by wildernesswolf

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