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アナリストコラム

機械セクターの7-9月期決算の注目点 - 高辻 成彦-

2010年10月15日

再来週より7-9月期の決算説明会シーズンが本格的に始まる。決算発表直前期だが、4-6月期決算時に引き続き、機械セクターの注目点を考えてみたい。私が考える機械セクターの注目点は次の通りである。

<半導体製造装置>
SPE(半導体製造装置)業界では、大日本スクリーン製造(7735)を除き、これまで持続的な受注回復が見られた。11/3期2Q(7-9月)受注は大日本スクリーン製造を除き1Q(4-6月)比増になると見ているが、SPEメーカー各社の受注は既にかなりの高水準に達しており、3Q(10-12月)以降、やや一服する可能性が浮上している。従って、今後の会社側受注見通しがどう出るかが注目点だろう。

<工作機械>
工作機械メーカー各社は月次ベースで既に11/3期2Q分の受注高が公表されている。月次受注ベースでの推移を見るに、小型機を扱うツガミ(6101)を除き、オークマ(6103)、東芝機械(6104)、牧野フライス製作所(6135)、森精機製作所(6141)の4社とも、2Q受注高は1Q比増となった。ツガミは1Qに続き前四半期比減となったが、月次では20億円以上の水準が続いており、過去の受注状況から見れば依然高水準である。これまで私はツガミ、次いで牧野フライス製作所の受注回復を想定していたが、結果はその通りとなった。なお、牧野フライス製作所は10月4日に11/3期会社計画を営業赤字予想から営業黒字予想に上方修正した。今後は残るオークマ、森精機製作所、東芝機械といった、中大型機3社の業績動向が注目される。

<産業用ロボット>
不二越(6474)のみ11月決算であるが、当業界では四半期毎に各社、受注の浮き沈みがある。従って四半期のみでは需要動向を捉えにくいのが難点である。既に10月13日に公表された不二越の四半期報告書によれば、10/11期3Q(6-8月)のロボットの連結受注高は2Q(3-5月)比増となった。残る安川電機(6506)、ファナック(6954)の11/3期2Q(7-9月)の業績がどうなるか、注目されるところである。なお、安川電機の11/3期2Q決算公表は本日15日。次週18日にアナリスト向け決算説明会の実施が予定されている。工作機械業界に比べやや回復が遅れている印象を受ける業界だが、回復そのものは持続すると見ている。

<建設機械>
日米欧地域での需要が弱いながらも上向き、アジア向けの需要も好調が続いていると推測される。11/3期1Q決算では日立建機(6305)の部品不足が顕在化したが、今後いつ解消されるか(または2Qで解消されたか)が注目点となりそうである。なお、当業界は今後需要の伸びは鈍化していくと予想されるものの、拡大基調は持続すると見ている。

<ベアリング>
自動車業界に対する政策支援もあり、機械業界の中では比較的需要回復が先行していた。11/3期2Qも需要拡大が持続していると推測される。しかし9月に国内のエコカー購入補助金制度が終了したことや円高影響もあり、日本精工(6471)、NTN(6472)、ジェイテクト(6473)の3社の通期業績予想がどう変わるかが注目点だろう。なお、産業用ロボットで話に触れた不二越(11月決算)は既に決算発表を終えているが、通期業績予想は据え置いた。

これらの点に注目しつつ、弊社レポートを今後も是非ともご購読頂ければ幸いである。

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