メニュー
アナリストコラム

太陽光発電、作れば作るほど二酸化炭素排出量が増える!? -溝上 泰吏-

2011年06月17日

地球温暖化についての賛否両論はさておき、太陽光発電がメディア等で取り上げられる機会が多くなっている。その多くが、企業のイメージアップのためのPRに使われることが多いように感じる。

太陽光発電の発電効率は1割台(火力発電や原子力発電などは6割以上)とあまりにも低過ぎるのである。そのため、ライフサイクルアセスメント(生産から廃棄するまで)の観点から、単位発電量あたりの二酸化炭素排出量を比較してみると・・・。
太陽光発電は、発電時にこそ二酸化炭素を排出しないものの、製造時に大量の二酸化炭素が排出される。

これを1kWあたりの二酸化炭素排出量は、火力発電に比べれば低いものの、風力発電の1.3倍、原子力発電の2.4倍にもなる。さらに1kWh発電時のコストを比較(下図参照)すると、風力発電の2.8?4.7倍、火力発電の6.5?10倍、原子力発電の11.2倍にもなる。太陽光発電は、とび抜けて高コストである。

なお、太陽光発電の関係者の名誉のために付け加えておきますが、発電効率は研究者の努力もあって年々向上してきている。現在のチャンピオン効率は15.7%と以前の2倍以上の効率にもなっています(でも、発電効率は4割以上ないと厳しいようです)。

図3.png

アナリストコラム一覧 TOPへ戻る