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サクラ狂騒曲 -Cranberry Jam-

ポカポカ陽気の春のある日、靖國神社にはマスコミ関係者が集まっていました。カメラマン、音声スタッフ、アナウンサーなど合計30人ほど、それを取り囲む一般の人たちを合わせると100人ほどいたでしょうか。観光客らしき外国人は不思議そうな顔をしていました。それもそのはず、人々の視線の先にあるのは、何の変哲もないただの老木なのです。

しばらくするとカチッと着込んだスーツ姿の中年男性が3人、徐ろに人々の輪の中心へやってきました。みな固唾を呑んで男性たちの一挙手一投足を見守っています。テレビカメラが男性たちに向けられ、アナウンサーは小声で実況しはじめました。男性たちはMRI画像を見る医者のような緻密さで老木を見つめています。一人の男がポケットから携帯電話を取り出しました。

「もしもし、○○です。只今確認が取れました。・・・はい、5輪です。開花でよろしいかと思います。」

その瞬間、堰を切ったようにアナウンサーから矢継ぎ早に質問が投げかけられました。「東京は開花ですか?」「午前中はまだという判断でしたがこの数時間で変化したのですか?」「具体的にどの5輪を開花と認定したのですか?」「この花弁は開ききったという判断ですか?」

どこからともなく拍手が沸き起こり、歓声が上がりました。その音に驚いたのか、真っ白い鳩が飛び立ちました。空を見上げると、純白の鳩が3羽、戯れていました。雲ひとつない透き通った空でした。鳩が喜びのダンスを踊っているように見えました。

 
 Written by Cranberry Jam

 

[04.11.更新]