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おじさんのパワーに心が躍る -Forever Young-

2012年05月11日

先月、体調を大きく崩した。暴風雨となった3日午後、急に寒気がした。交通機関混乱の予報もあり早めに家路についた。翌朝、寒気は引いた。だが喉が痛くて堪らない。その週末、知り合いの女医を久しぶりに訪ねた。「喉は真っ赤」との診断後、醜く突出した腹に目をつけられた。この人には弱い。即、簡易健康診断。血圧は高めだ。そして、血液を採られた。「前はスリムだったのに、何が起きてもおかしくない歳だよね、そろそろ」と来た。そして、「働きすぎに注意」と言われ、「遊び友達にもよくそう言われます」と返した。

一週間後、最近の不摂生がばれてしまう、お説教が待っている、と思いつつ再訪。幸い、検査は項目の全てが正常内に収まった。しかし、体調は引き続き悪い。時々急に咳き込む。恒常的にだるい。何事にも根気が無くなったような気がする。竜巻は起きるは雹は降るし、暑くなったり、冷え込んだりと最近の天候不順が原因なのか。気象の変化ごときで体を壊すような虚弱体質ではなかった。やはり歳か。電気の消し忘れや鍵の閉め忘れが気になる。携帯をかけながら族となり車に跳ね損なわれる。もう、終わってしまったのか。 

そんな思いの4月末のことだ。中日の山本昌投手が横浜DeNAを7回まで2安打に抑え2勝目をあげたニュースが目に入る。何と46歳8カ月での快挙。サラリーマンならもうとっくに定年。厳しい競争の中で先発の一角として好調中日を牽引する。背筋を一杯に伸ばすフォームが印象的な左腕。大柄だがストレートはせいぜい140キロ弱。これを軸に落差の大きいカーブなど変化球を巧みに操り、ひょうひょうと強打者を打ち取る。どうして長く活躍できるか。栄えあるタイトルをいくつも手にして現役を続けるのは何故かしらん。米国留学時代に生活習慣の厳しい指導を受けたと言うが長期稼働のベースになっている可能性が高い。150キロの剛速球を求めるあのハンカチ王子に梨田監督が「打者が150キロと感じるボールが投げられれば十分」だと諭したと聞くがこうした投球術がある。そして、チームの信頼と期待が苛酷な環境に身を置くモチベーションになっているのだろう。

気がついたら中高年になっていた。親しい先輩が次々に第一線を去って行く。顔にはまだまだやれると書いてある。でも、画一的に扱われることで「もう歳だから」と納得する。とはいえ、人には個人差があってしかるべきと考えたところで社会は簡単にその差を受け入れるしくみにはなってはいない。新たなチャレンジは何事も歳の制約を受ける。だから、どうあがいてももう無駄と考えると悪循環に陥る。我が世代もこうしたステージに次第に近づく中で何かやるせなさを感じていた。そんな中でのおじさん山本選手の活躍には心が躍る。しっかり、自分を磨けば歳に関係なくうけ入れられる環境は必ずあると。ゴールデンウィークの良く晴れた一日、そんなことを考えながら先ずは体力を回復して仕切り直しと田舎の海岸を走り続ける自分がいた。

Written by Forever Young

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