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大器晩成 -Forever Young-

大相撲初場所で大関稀勢の里が初優勝を果たした。先月8日の初日から8連勝し早くも中日に勝ち越しを決めた。今場所こそ優勝が叶うかもしれない。すると、翌日9日目に落とし穴があった。相手の琴奨菊は同じ大関とはいえカド番で格下相手に負けが込みここまでたったの2つしか勝ち星がない。勢いが違う。楽勝だと思ったらあえなく寄り切られた。やはり稀勢の里は稀勢の里、今場所も終わったと思った。ところがいつもと違う。翌日から負けを引きずらずに勝ち進んだ。そして、千秋楽結びの一番。横綱白鵬に一方的に押し込まれながらも土俵際のすくい投げで逆転した。強かった。これで横綱に決まりだと思った。

北の湖という横綱がかつていた。最年少、最短で横綱になったはずで、鬼のように強かった。稀勢の里はどこか風貌が似ている。土俵上でのふてぶてしい態度がこの大横綱を彷彿させる。稀勢の里は強い相手には滅法強い。先場所の九州では横綱を総なめにした。白鵬も十分、その実力を認めていると聞く。左四つになったら向かうところ敵なしだ。北の湖との違いは肝心なところで格下相手にコロリとあっけなく負ける。そしてチャンスを逃す。だから憎めない。いつしかファンになっていた。それゆえ、今回の優勝はとても嬉しかった。

好きなことわざに「大器晩成」がある。偉大な人物は、大成するまでに時間がかかることのたとえだ。鐘や鼎(かなえ=鍋状の器)のように大きな器は、簡単には作り上げることができないということから、すぐれた人物は時間をかけて実力を養っていくものなので、大成するまでに時間がかかるということで、対義語は「小鍋は直ぐに熱くなる」である。何事においても大成はなく、いくつ年を重ねてもパットしない私のような平凡な人間にとっては、努力を続ければ数年先には成功していると思えて実に都合がいいことが、このことわざを大事に思う理由である。

めでたく横綱への昇進が決まったが、横綱昇進は基本的には二場所連続優勝が必要な筈だ、先場所は12勝3敗でとても優勝に準ずる成績とは言えない、久しぶりの日本人だから甘くなったのだ、などの疑問の声もある。しかし、そもそも昨年は年間最多勝だし地力は十分だ。優勝という壁を上手く乗り越えられなかっただけである。苦労して大きな壁を乗り越えると人は一段と成長するという。おそらく春場所では力強い土俵が見られるに違いない。疑問の声はすぐに消え去るだろう。優勝を重ね、まさに大器晩成となり、いくつになってもくすぶっている巷のおやじにも元気、勇気を与えて欲しい。ちなみに英語ではBetter late ripe and bear than early blossom and blast.(早く花が咲いて枯れるよりも、遅く熟して実を結ぶほうがよい)が同義だそうだ。

Written by Forever Young


[02.10.更新]