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バレンタイン -Cranberry Jam-

2014年02月14日

今日は2月14日、バレンタインデーです。アンケート調査によると、男性の19%はバレンタインに愛の告白を受けた経験があり、そのうち47%は交際にまで発展したことがあるそうです。現在チョコレート年間消費額の12%に当たる500億円がバレンタイン期間に消費されており、チョコ以外の贈答品や関連消費も含めると、その経済効果は1000億円と言われています。これ程までにマーケットが大きくなったということは、何かしらの潜在的なニーズがあったからだと思われますが、そのニーズとは何でしょうか。

バレンタインデーの由来は、紀元前の古代ローマにまで遡ります。2月14日は、結婚の女神ユノを祀るルペルカーリア祭の日でした。このお祭りでは、くじ引きで若い男女のペアが作られていました。時は流れて3世紀のローマ皇帝は、兵士の結婚を禁止しました。士気の低下を防ぐ為でした。ところがバレンティヌスは、この禁令に背いて密かに結婚式を執り行っていました。そのため処刑されるのですが、その処刑日が2月14日でした。これらの逸話により、聖バレンティヌスが恋人たちの守護聖人として中世ころから信仰されるようになりました。

海外のバレンタイン事情は日本とはだいぶ異なります。西洋では恋人の日として、男性から女性へ花やカードを贈ることが多いようです。イスラム圏では、バレンタインのお祝いを禁ずる国もあります。イランでは、「イスラム文化を侵害する」としてバレンタイン関連商品の輸入を禁止しました。サウジアラビアでは、宗教警察である勧善懲悪委員会が「バレンタインを祝う者は死刑もありうる」と発表しています。日本では、昭和33年に、(株)メリーチョコレートが販売促進のためデパートでキャンペーンを行ったのが始まりです。チョコレートの購買層は女性が多かったこともあり、女性が男性にチョコを渡す日として定着していきました。

さて、動物の世界では、求愛するのはオス動物です。メスはただ待っているだけで、勝手にオスが集まってきます。メスには妊娠期間や子育て期間があってその間は交尾しないのに対し、オスはいつでも交尾できるため、繁殖可能なオスとメスの数は常にオスの方が多くなるからです。例外的にタマシギという鳥は、オスが卵を守って子育てをするため、繁殖可能なメスの数がオスよりも多くなります。そのため逆にメスがオスを求めて鳴き、オスに美しい羽を見せつけて求愛します。

女性からの求愛は、日本古来の神話では忌むべきこととされています。『古事記』では、女性神イザナミからイザナギに声をかけて結ばれたところ水蛭子(ヒルコ)が生まれてしまい、「女性から声をかけたのが悪かった」として、わざわざ出会いをもう一度やり直して今度は男性神イザナギから声をかけ直すというシーンがあります。21世紀の現在でさえ、プロポーズと言えば男性が女性にするのが一般的ですし、女性は慎ましく奥ゆかしい方が良しとされます。女性から交際を申し込むことは、男性に比べて社会的制約やリスクがより大きいと思います。でも女の子だって、好きな人には告白したいし、タマシギのメスのように美しい羽を身に纏って求愛ダンスを踊りたい。この抑圧された願いに免罪符を与えてくれるのが、日本型バレンタインです。つまり潜在的なニーズとして、「自ら積極的に愛を告白したい」という女性の欲求があったのではないでしょうか。

アンケート調査によると、女性の70%がバレンタインデーには愛の告白がしやすいと感じており、女性の72%は本命チョコを渡した経験があり、そのうち31%はチョコを渡す際に愛の告白をしており、そのうち47%は交際にまで発展した経験があるようです。これは冒頭の男性へのアンケートとは調査会社が異なるのですが、交際発展経験47%という数字が男女でピタリと一致したのは興味深いところです。

今日はバレンタインデー。全国の恋する乙女たちが意中の男性に想いを伝えて(or伝え損ねて)、多種多様な甘い(orホロ苦い)恋愛ドラマが紡がれることでしょう。 May the chocolate be with you!

Written by Cranberry Jam

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