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古井戸の「こがね虫」で憂さ晴らしと思いきや、カープ活躍で心を立て直す -Forever Young-

2012年07月20日

我が家は二人の男の子を抱える。この春、長男は地元の公立中学から公立の音楽専門高校へ進学した。小さい頃から音楽への興味が頗る強かった。早くから音楽関係へ進みたいと考えていたようだ。親としては学力低下や学級崩壊などがよく問題になる都内公立中学の生活に多少不安があった。態度が悪いことに加え自己主張が強いので先生とよくぶつかった。しかし、やりたいことがぶれなかった。とりあえずはその音楽に集中できる環境に身を置いたのでほっとしている。来年、次男が中学生になる。長男に比べ普通の子だ。まだこれと言うものがない。私立は似たような環境で育った子供が集まる。中高一貫校なら高校進学で悩むこともない。親も安心だ。何より彼にはまだ私立に進むチャンスがある。

こうしたことから、最終的な選択は別として親子で中学受験に挑むことにした。夫婦揃って地方出身、田舎者の我が家にとって中学受験は初体験だ。聞いてはいたが、塾や家庭教師に湯水のようにお金が流れる。難関校の算数の受験問題で驚く。短時間で正解を得るのにはかなり訓練が必要だ。このため、難関校、超難関校には特別の講座やスクールがある。お金をかければ知名度が高く、卒業生の人脈も豊かな超難関校合格の確率は高まる。ある程度わかってはいたが、親の所得の差で子供の可能性に格差が拡がる構図がある。子供のこととはいえ、こんな社会に踊らされ流される自分が情けない。でもこれが現実だ。

先日、友人とカラオケ店に入った。かつて学園祭でクラブの先輩がドラムを叩きながら熱唱した古井戸の「こがね虫」を急に想い出した。そして、「? ? 金とコネさえあれば、僕の思いどおり、金とコネさえあれば嘘も本当になあある。大きくて強いものにくっつけば、もう怖いものなんかないさあ ? ?」と叫びたくなった。しかし、「さなえちゃん」他ヒット曲のいくつかは簡単にみつかるがこの曲には辿りつけない。過激すぎるのか。今の社会にはうっとうしいのか。願いかなわず「? ? 大学ノートの裏表紙にさなえちゃんを書いたの。でも鉛筆で書いたからいつの間にか消えたの。もう会えないの? ?」と歌い店を出た。

結局は政治も勉強もスポーツも金、金、金だ。その象徴とも言えるジャイアンツは競合からエースや大砲を形振りかまわず集める。そして、プロ野球セリーグ首位をひた走る。「愛と心」以外に金で買えないものなんかないと言わんばかりに。そんな中、鯉のぼりが終わる季節に必ず失速する広島カープが前半戦終了時点で久しぶりに勝率5割に復帰し3位に立った。六大学のエース明大野村の加入も大きいが、怪我で主力を欠く中、生え抜き若手の活躍が目覚しい。無名の若手達が既に名を馳せた競合の精鋭に総力で当たる姿はこの猛暑中爽やかだ。動もすれば、持てる物と持たない者の差がどんどん開きそうな現実を前に折れそうな心をこの弱小球団の活躍で奮い立たせる。子供達にはどこまでしてあげられるのかわからない。とにかく、健康で逞しく育って欲しいと思いながら。


Written by Forever Young

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