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How to analytical method -体格部長-

2012年04月20日

あるアナリストの分析方法。決算説明会までのサイレント期間は記事に基づいて速報記事を書く場合がある。アナリストレポートの肝である業績予想をして、インプレッションを考慮し、レポートを発行するまでの、ほんの少しフィクションの入ったコラムです。

朝5時前には起床。健康のために生姜入りの紅茶を飲むためにお湯を沸かすまでの間に、日経テレコン21を起動。日経と日経産業とMJの主要記事を確認する。今日は、速報記事を書く必要があるなと判明すると、朝の準備は早い。

社に着くと、まず取材を基に作成したセグメント分析表を確認。企業によっては、数百?千種類の製品を製造しており製品カタログが本になるような企業もあるが、株価を動かす要因は多くても5つ程度。業績貢献の大きい製品、材料視されやすい製品の概要をまとめてあるシートである。

ちなみに、私のセグメント予想のシートは次のステップを基に作成している。まず、その製品の需要と供給、シェア予測をする。製品の単価を確定させ、数量×単価で売上算出。その後、今期の追加的なコスト増を勘案しながら変動費を予想し限界利益を想定。固定費を確定させ、営業利益が確定される。
ステップどおりに算出できることは少ないのが実情といえば実情だが、とりあえず数字をおく。文字ではなく数字だ。数字をおくことが難しい場合は、比率で見当をつける場合もある。具体的には、1?10の間で5を基準に考え、あとは2?3、もしくは1か4と数字を動かしていく。
こうして、算出されたセグメント分析を基に、記事内容がどの程度業績変動インパクトがあるかを予想する。当然だが内容確認のため、会社側への確認を入れる。

レポートでは、業績がよくなるから(EPSが増加するから)株価は伸びるとの直線的な記述はだめだ。バリュエーションを基準に考える。しかも、最近はセクター内での比較は意義が薄らいできているから注意が必要だ。国内セクター内の話は、「身内の話」である。個人投資家の方々は、絶対リターンが必要なのだ。
次に、出来高の確認である。出来高は株価を動かす重要な要因である。記述しにくいところもあるが、文脈に織り込みたいと考えながら記述する。
考えがまとまると、あとは早い。数十分でレポートは完成である。それからチェックが入り発行へとつながる。こうして、あわただしい朝の作業がひとつ完了である。
さて、次の仕事に取り掛かろう。

Written by 体格部長

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