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今年出会った一つの言葉から -Forever Young-

2013年12月27日

今年も沢山の印象に残る言葉が心に入り込んだ。「じぇじぇじぇ」に「倍返し」に「お・も・て・なし」 。流行語大賞になったこれらの言葉は当然であるが、筆者にとり最もインパクトがあった言葉はたまたま出会った「なんくるないさ」であった。学生時代に半月放浪した沖縄の言葉だと直感的に感じた。「なんくるないさー」と伸ばすととても語呂がいい。最初は困難に直面しても何とかなる。「テイク イット イージー」で行こうぜと言葉の意味を楽観的にとらえた。しかし、しっかり調べてみると「正しいことを努力すれば必ず報われる」という意味の沖縄の方言であり誤った解釈をしていたことに気が付いた。

長年最下位争いを続けた広島東洋カープがプロ野球セントラルリーグのクライマックスシリーズに進出した。自動車メーカーのマツダ業績が急回復した。このため株価も1年で約4倍になった。カープには育て上げた有力選手が相次いでFA権行使により人気球団に移る流れがある。それでもめげずに目利きが選んだ選手を地道に育て上げる。中央球界においては無名の選手が多い。そして、大砲不在の中で伝統の機動力野球を貫きやっと上位進出を果たした。マツダは日本国内で生産したクルマを海外で売る割合が大きい。このため、円高トレンドの中で長年苦しんだ。こうした中、超円高が続いても国内生産で利益が出る技術開発、クルマづくりに集中した。新技術を積んだクルマが本格的に世に出たところで流れが円安に大きく傾いた。

二つに共通するのは限られた経営資源の中で正しい方向を選択し地道に努力を重ねてきたことだ。そしてこの努力が今年漸く報いられた。一方で正しくないお金を受け取ったどこかの知事は驚くほど短命となったことが記憶に新しい。これらは、この「なんくるないさ」という何かノリの良い言葉が筆者の心の中で重みを増す大きな出来事となった。そしてこの言葉がますます好きになった。

「アベノミクス」に「黒田異次元緩和」で世の中の雰囲気が大きく変わって来たような気がしている。さて、いよいよ新年を迎える。消費税引き上げが予定される。久しぶりの安定政権を背景に世の中がこれから大きく変わって行くような気がしている。そうした中で報われる産業、地域、世代、個人が出てくる一方で、報われない社会が出てくるような気がしてならない。また、変化にうまく付いて行ける人、付いて行けない人が出てくるような気がする。どんなに世の中が変化しようとも「なんくるないさ」が通じる世であって欲しい。またそうでなくてはならない。そんなことを思いながら今年を終える。良いお年をお迎え下さい。

Written by Forever Young

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