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ベンチャーな奴らとウズベキスタン体験記(前編) -wildernesswolf-

2014年06月13日

2年前、ウズベキスタンには私の若い友人であるS君の結婚式に出席するために行った。
S君はバックパッカーで世界中を歩き、ウズベキスタンに到達し、そこでビジネスを起こし、そして15歳年下の美人の花嫁をゲットした男前であるが、彼とはtwitterで知合い、何度かミーティングをしてみて、結婚式にどうしても出席したい気にさせられていた。

ウズベキスタンを訪れたのはもちろん初めてであったのだが、その時に不思議な縁で、10数年ほど前にベンチャーキャピタルの(形式的な)役員をしていた際にちょっとだけだが一緒に働いていたF君とタシケントで再会した。S君とはやはりネット上の知り合いで対面したのはその時が初めてだったそうだ。F君はベトナムに移住し、今では社員200人規模のIT企業の経営者になっている(そういう人間はフットワークが全然軽いんだよね)。
また、以前に経営コンサル会社のアドバイザーを行っていた際にカウンターパートナーだった方(有名コンサルタント)にも現地で再会した。この方は中国でのコンサルの仕事の後にウズベキスタン入りをしたそうだ。
世の中は驚くほど狭い。と言うか、前向きな人たちはどこかで必ず繋がっている。

ロシア正教の結婚式、その後の披露宴、その翌日のサマルカンドへの観光を終えて、ホテルのバーでビールを飲みながらF君と談笑していると、S君がなにやらフロントで揉めている。「どうしたんだろうね」とその様子を遠めに見ていた。長い時間揉めた後に、S君は(美人の)奥さんと二人でこちらにやって来た。

「どうしたの?」と聞くと、「実は藤根さんにご相談があるのです」と言う。
「ホテルの予約が手違いで、姉の部屋が今晩から泊まれなくなってしまって・・・・。今日は満室で他に部屋がなく、いくつか他のホテルも当ってもらったのですが、どこも満室で・・・・。」
日本から結婚式に来ていたS君のお姉さん。最初は妹さんと見間違えるほど若々しく、ちょっとぽっちゃり顔の美人である。

S君が話を続ける、「もし、ご了解いただけるのでしたら、藤根さんの部屋に補助ベットを入れさせていただきたいのですが、宜しいでしょうか?」
えっ、お姉さんと同室? 同じ部屋? 綺麗なお姉さんと・・・・いいのか、いいのか、本当に? 本当?
少し離れた場所にお姉さんがスーツケースを横に置いて座っている。そのややうつむいた横顔からは表情を読み取ることができない。

心臓の高鳴りと汗が出るような感覚が伝わってくる(タシケントは乾燥しているので夜は汗をかくことは無いが日本だったら顔中に汗をかいていたかもしれない)。

生まれて初めて女の子をデートに誘う少年のような高揚と緊張感を感じながら、強張った表情を悟られまいとできるだけ何げなく努めながら言った。
「俺はべつに構わないけど・・・・。」
乾燥した空気の中で額から汗が蒸発してゆく感じがした。

(後編に続く)

Written by wildernesswolf
 

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