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七味唐辛子 -wildernesswolf-

2016年05月27日

七味唐辛子の材料を貴方は知っていますか?
発売元によっても違うが、唐辛子の他に、芥子(けし)、麻の実、青海苔、陳皮(ミカンの皮)、紫蘇(しそ)、生姜、胡麻、海苔、菜種、山椒などが使われている。大手メーカーをはじめとして、七味唐辛子としてパッケージ化された商品は数多くあるにもかかわらず、一般的に芥子、麻の実、陳皮、菜種などが単体の調味料として売られているのを見ることは少ない。江戸時代が起源という七味唐辛子は、もともとは其々の材料を別にしていて、客の好みに合わせて調合したのだというが、今ではそうした販売方法は観光土産として一部残っているだけと思われる。

他方、洋食のスパイスはどうだろうか? 黒胡椒、白胡椒は勿論のこと、ナツメグ、パプリカ、オレガノ、セイジ、タイム、バジル、パセリ、ローズマリー、クミン、サフラン・・・、と数多くのスパイスが単体で、近所のスーパーマーケットですら陳列されている(実際にこれだけの種類を料理に使う人がどれだけ居るかは個人的には疑問ではあるが)。西洋のスパイスもシーズニングとして特定用途に向けてミックスされたものもある。「クレイジーソルト」のように特定用途ではない複合調味料も存在はする。しかし、料理に合わせて(あるいは料理人の好みで)スパイスを細かく使い分けるのが西洋人には一般的であるようだ。

もしかしたら、日本人は七味唐辛子タイプを好む性向が強いのかもしれない。自分自身で一つ一つを試してみるというよりも、誰かが選んでくれた(世間でも評判が良い)パッケージに身を委ねてしまう傾向が強いのかもしれない。ウイスキーもその典型例の一つだ。スコッチやバーボンは数多の銘柄がある。それにもかかわらず、ウイスキーを飲むといっても、国産の「山崎」、「響」、「白州」、「竹鶴」を有り難がって、スコッチでもせいぜい「ボウモア」、「アードベック」、「ラフロイグ」、「ザ・マッカラン」、「グレンフィディック」、「ザ・グレンリベット」、「タリスカー」、「カリラ」くらいしか飲んだことがない人が殆どではないだろうか? それでも全然マシな方で、殆どの人は「角ハイボール」でお終いではないだろうか?

金融商品も同じである。売る側の都合もあり、パッケージ商品に流れやすい。毎月分配型が流行れば飛びつき、長期投資が叫ばれれば乗っかり、新興国投資が持て囃されればそれに染まる。結局は、七味唐辛子のパッケージ選択を変えただけであり、それを構成している中身をあまり吟味しているようには思えない。関心がないと言うほうが妥当かもしれない。

値動きの良いトレーディング銘柄に群がるのは、日替わりの特売商品を求めてスーパーチラシに目を光らせるのと、行動パターンは同じようにしか見えない。

大学選びもそうではないだろうか? 何を学びたいか、自分は何をやりたいのかという本質的な部分を突き詰めるのではなく、得意科目と合格可能偏差値を基準にしつつ、世間的に評判の良い大学を選んだだけではないだろうか?就職だってもしかすると似たようなものかもしれない。もちろん、そうでない方も沢山いらっしゃるとは思うのであるが・・・。

一つ一つのことに細かくこだわりを持ってみるということは、人生の時間の無駄と思う人も居らっしゃるかもしれない。その場その時に上手く適合してゆくことが重要という風潮もあるようだ。しかし、その結果として、あまりリスペクトできない人たちに政治を委ねてしまっているというのがこの国の実情ではないだろうか!

パッケージ商品を選択するのが全て悪いというつもりは無い。でも、一度、七味唐辛子(スタイル)を捨ててみよう。一つ一つの素材を吟味することをまずは学ぶべきではないだろうか?その経験の上で、パッケージを選択する目を養うことが重要ではないだろうか?

長々と書いたけど、株式投資(個別株)をやろう、ということです。

Written by wildernesswolf

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