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アナリストコラム

Stock Pickを楽しみませんか −岸 和夫−

2010年10月22日

Stock Pick (銘柄選択)

証券会社に勤務していた時に懇意にして頂いた某アセット・マネジメントのS代表に、縁あって6年振りにお会いした。その際S氏が、どのようにStock Pick(銘柄選択)をしているのか話をされたので御紹介する。最初に大きなテーマをいくつか設定した上で、該当する銘柄について全体及び同業種内での比較を行い、割安な銘柄を取上げて長期投資するというやり方である。テーマの一つとしては、「あったらいいな」ではなく、必要不可欠、避けて通れないものに着目しており、一例として国内のインフラ更新関連を挙げている。例えば原子力発電所は、日本での最初の商用原子力発電は1966年東海発電所でスタートしており、その歴史は既に40年を超えている。近年は老朽化で運転を終えた原子力発電所の処置の問題に加え、二酸化炭素排出削減策の一環として既存原子力発電所に対する延命の方針も打ち出されている。そのため長期運転を行う原子力発電所が増加する見込みであり、安全性(勿論これが最重要)の維持も含め、更新需要の増加が予想されている。身近なところでは上下水道管。これも地域によってはかなり老朽化が進んでいるようであり、耐震性強化も必要である。更に国策である医療費の削減の観点から、ジェネリック(後発医薬品)関連にも注目しているようである。また日米共に未曾有の超低金利局面であることから、好業績の高配当利回り銘柄も狙い目という。S氏によれば、このような銘柄は地味で面白味に欠けることから、つまらないという方も多いだろう。しかし必ず需要は付いてまわり、株価は割安に放置されていることが多々あり、結果として長期的に高パフォーマンスをあげられるという。なお全体相場については、現在の超金融緩和が続くようであれば、来年のどこかで、ひと相場あるのでは(これに関しては、あったらいいな)とコメントしている。

定数判断と定性判断

銘柄を選択する際の基本的な判断として、定数判断と定性判断がある。定数判断を行う場合は、通常PER、PBR、ROE(自己資本利益率)、配当利回り等の指標を参考にする。PER、PBRが低く、ROE、配当利回りが高い銘柄が選択されることになる。では定性判断とは何だろうか。筆者は将来性、成長性(業績見通し)、砕けて言えば将来楽しみな企業であるかどうかと考えている。とは言うものの、将来性、成長性をどう判断するかは、かなり難しいのだが(この点がアナリストの大いなる悩みでもあり、腕の見せ処でもある訳ですが。業界、マーケット、事業内容、収益性や、己の第六感等々を加味した総合的な判断と言っておきましょう)。

TIWでも、新たにStock Pick
残念なことだが、現在の日本株に人気はない。しかし豊富な埋蔵金が眠っているような銘柄も少なくないのではと思うのだが。TIWでも従来カバレッジしている銘柄に加えて、随時新たにStock Pickした銘柄のカバレッジを行っている。ここ1?2年で高パフォーマンスをあげることは難しいかもしれないが、相場がこのような状況だからこそ、皆さんもStock Pickを楽しんでみてはいかがでしょうか(Stock Pickされる際は、是非TIWのアナリストレポートを御活用下さい)。

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