16日に為替が一時139円台/ドルにまで円高が進みました。これは先週に米国金融市場において、次回FOMC(9/17-18)における0.5%の利下げ幅へ市場の見方が傾いたことに端を発しています。最初の切っ掛けは、13日に元ニューヨーク連銀総裁のダドリー氏が講演会で「50ベーシスポイント利下げをする強い根拠があると思う」と述べたことにあります。これに続く形でウォールストリートジャーナルやフィナンシャルタイムズが0.5%利下げを示唆するような内容の記事を掲載したことによって拍車がかかったようです。
前回も言及しましたが米国の利下げは、米国株式市場にとってはプラス要因であるものの(景気悪化という面ではマイナス面もあるが)、日本株にとっては米国経済の減速ならびに為替の円高等によって二重のマイナス要因となります。0.5%の利下げとなればFRBが経済のソフトランディングに懸念を示したと市場が捉える可能性も考えられます。ただ、事前に0.5%利下げ見通しが広がったことで、織り込みも進んだと考えられ、0.5%利下げした場合の日本株への影響は緩和されたと思われます(むしろ、0.25%にとどまった場合は円安・日本株高も考えられます)。ただし、次回のFOMCではドットチャート(=SEP:FOMC参加者の経済見通し)が示されるので、単純ではない可能性もあるでしょう。
さて、日本株市場全体としては停滞感が強いものの、そうした環境下で物色対象に対するローテーションが進んでいるようです。8月2日から9月13日の間、日経平均株価の変動率は+1.9%(35,909.70円→36,581.76円)でしたが、東証グロース市場指数は+9.9%(749.04→823.52)と大幅に上昇しました。ちなみに東証プライム市場指数は+1.3%でした。
主力の大型輸出(グローバル)企業が為替と海外経済の影響を強く受ける中で、春先から7月に大きなバリュエーション調整があったグロース銘柄が復活しつつあるようです。株価調整が大きかったグロース市場の好業績企業に目を向けるタイミングと考えます。