自民党総裁選挙での高市氏優勢観測を視野に27日の日経平均株価は903.93円上昇し、4万円に迫る39,829円で引けました(前日の26日も1,055円高)。高市氏は、日銀の利上げに対して抑圧的な発言をしており、アベノミクスの再現を連想させるような景気刺激策を指向すると見られていたことから急速に円安(27日には一時146.5円)が進行し、株高を促していました。
しかし、引け後の決選投票で石破氏が勝利したことによって、週明けの30日には円高への揺り戻しに加えて、日経平均株価は▲1,910円安となり、2日間の値上げ幅をほぼ打ち消した形となりました。
しかし、石破新総裁が早期解散総選挙(10/27投開票)を打ちだしたことから、総選挙での株高アノマリーへの期待と、30日の講演でパウエルFRB議長が米国経済は底堅いことを強調し、政策金利を緩やかに引き下げてゆくことを示唆したことから再び円安基調となり、1日(本日)の日経平均株価は(14時現在で)735円上昇しています。
今週は米国の主要経済指標の発表が続きます。1日:ISM製造業景況感指数、2日:ADP雇用リポート、3日:ISM非製造業景況感指数、4日:米雇用統計(いずれも9月分)。市場予想は前月比でおおよそ横ばいであり、特に良くも悪くもないという状態のようです。予想に対するサプライズがあったとしても、予想を上回っても下回っても現在の市場では(良ければ)経済の底堅さを、(悪ければ)利下げペースの加速とプラスに捉える可能性がありそうです。
米国株式市場が強含みで推移していることを背景に、国内株式にも楽観的なセンチメントが優勢と見られますが、株価バリュエーション面ではやや割高な水準にあることから、海外市場の動向やイベント・ニュースに(上下ともに)大きく反応しがちであると思われます。
イスラエルのレバノンへの地上侵攻開始によって、地政学リスクは高まっていると思われるものの、原油価格が低位(WTIで70ドル割れ)にあることなど、市場には強い警戒は見られないようです。戦線の拡大が中東全域に広がる可能性はまだ高くはないと思われますが、しっぺ返しが生じたときのインパクトは大きくなっているように思われます。総選挙アノマリーが霧散しないうちにポジションの調整を図っておきたいところではないでしょうか。