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アナリストコラム

再び視線は米経済指標と米大統領選へ -藤根靖昊-

2024年10月29日

衆議院選挙翌日の28日に、日経平均株価は691円高と反発しました。前週の下落で与党過半数割れを既に織り込んでいたと考えられることや、政権交代が生じる可能性は低いと見られること、加えて野党と政策協調を求められることで減税や助成金など景気対策に重きが置かれるとの見方が広がったことが株高を生じさせたと推察します。

26日にイスラエルがイランの軍事施設に4月以来、2回目の攻撃を行いました。これは10月1日にイランがイスラエルに向けて弾道ミサイル約180発を発射したことなどに対する報復でしたが、懸念されていたイランの核施設や石油施設への攻撃は回避されました。原油価格(WTI)は現状67ドルと70ドルを割り込んだ水準で推移しています。市場はイランが再度報復を行わない限りは戦火が拡大する可能性は低いと現状は見ていると考えられます。

今週・来週は、1)本格化する7-9月期の決算発表、2)米主要経済指標の発表、3)日銀金融政策決定会合(10/30-31)、4)米大統領選挙(11/5)とイベントが目白押しである。とりわけ大統領選挙を控えて米国への注目度が今週以降は高まるものと考えられる。29日:消費者信頼感指数(10月)、30日:ADP雇用リポート(10月)・7-9月米GDP一時速報、1日:ISM製造業景況感指数(10月)・米雇用統計(10月)と続きます。市場予想では雇用統計の非農業部門雇用者数の増加は前月から減速が見込まれておりますが、予想を上回る強い数値が示されれば再びドル高と株高が生じる可能性も十分に考えられます。

米大統領選は、激戦州(スイング・ステート)においてトランプ元大統領の優勢が伝えられています。しかし、2016年、2020年もそうでしたが、何が起こるのかが分からないのが米大統領選だけに慎重に見守りたいと思います。トランプ氏、ハリス氏のどちらが勝利したとしてもロシア・中国と対立関係にある国際情勢には大きな変化はないと考えます。

今週の日本株は決算発表を眺めながらの個別の動きが中心になると思われます。今週の日銀金融政策決定会合は12月の次回会合(12/18-19)での利上げの可能性を占う以上の内容は持たないと考えます。

長らくつたない文章をお読みいただきまして有難うございました。今週で皆様とはお別れとなります。また、いつか、どこかでお目にかかりましょう。有難うございました。藤根靖昊拝

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