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ボブディランとノーベル文学賞 -Forever Young –

2016年10月28日

田舎を出て東京で一人暮らしを始めた当時、音楽でも聞こうと何を聞くのだというあてもなくレコード店へ入った。都会だし洋楽がいいと思った。「学生街の喫茶店」というフォークソングが流行ったことがあった。その歌詞の中の(街角で聞いていたボブディラン)という部分が頭にこびりついていた。だから(ディランとはなに?)という疑問と興味があったのだろう。たまたまそこにあったディランのセカンドアルバムを手に店を出ていた。その中に含まれていたのが有名な「風に吹かれて」という曲であった。
最も良いと思った歌詞の訳と解説をネットで見つけたので引用する。「どれだけの砲弾を発射すれば、武器を永久に廃絶する気になるのか」(中略)「人はどれだけの死人を見れば、これは死に過ぎだと気づくのか」というプロテスト・ソング風の問いかけと、「男はどれだけの道を歩けば、一人前と認められるのか」「山が海に流されてなくなってしまうのに、どのくらいの時間がかかるのか」という抽象的な問いかけが交互に繰り返されたあと、「答えは風に吹かれている」というリフレインで締めくくられる。

黒人差別を歌ったと言われ、公民権運動の賛歌になったこの歌は、まだ血気盛んな若者で何となく社会に疑問を持ち反抗的だった僕の心を引き付けた。最初はたまたまだったが以降ディランのアルバムを買い続けた。当初は「時代は変わる」、(もうマギーの農場なんかで働くもんか)と歌う「マギーズ・ファーム」といったいわゆるプロテスタントソングという分野に分類される歌ばかりかと思っていた。ところが、最初の妻を歌ったと言う「SARA」の(SARA 、SARA so easy to look at, so hard to define 〔筆者の訳ですが、サラ、サラ、見るにたやすく、心をつかむに難しい〕)と歌った優しいの愛の歌は意気地がなく片思いが続いた若かりし頃の僕の心にはまった。 

ノーベル文学賞はノーベル賞6部門のうちの一つ。文学の分野において理念をもって創作し、最も傑出した作品を創作した人物に授与されると言う。今年の受賞が彼に決まった時、当然のように賛否両論が沸き起こった。また、未だ現在、受賞への何のコメントもなく受賞への意思表示がないことへの批判もある。とはいえ、時代とともにフォーク、ロック、ゴスペル、ポップスなどへとスタイルを変化させつつも、短い詩の中に、信念を変えず、いつの時代でも通じる普遍的なメッセージを込め送り続け、人々の心を捉え止むことがない彼はやはり文学賞にふさわしいのだろう。最後に子供向けに歌った祈りの歌と言われ、実は僕のペンネームとして

使用させてもいただいている大好きな詩「Forever Young」を引用し終わりにする。

May your hands always be busy’(君の手がいつも忙しく動いてますように)
May your feet always be swift(君の足がいつも迅速に動いてますように)
May you have a strong foundation(強くゆるがない信念を持ちますように)
When the winds of changes shift(変化の風向きが変わろうとも)
Forever young, forever young (いつまでも若く、いつまでも元気で)
May you stay forever young (君がいつまでも若々しくありますように)

Written by Forever Young

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