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恵方巻き -Cranberry Jam-

2016年01月29日

もうすぐ節分です。今年もスーパーやコンビニなどでたくさんの恵方巻きが並ぶことでしょう。今や節分に恵方巻きを食べることがすっかり定番になっておりますが、よくよく考えると昔はあまり見かけなかった気がします。そこで調べてみたところ、どうやら近年始まった新しい風習のようでした。

最も古く遡ると、大正初期に大阪の花街で節分に海苔巻きを食べていたことが起源だそうです。その後昭和になってから鮓商組合や海苔問屋組合がこの花街の風習を一般に広める宣伝活動を行い、大阪から関西全域へと広まりました。昭和の終わり頃からはスーパーでも宣伝されるようになり、次第に関西から広範囲へと広まりました。さらには道頓堀で行われた「巻き寿司のまるかぶりイベント」がテレビで取り上げられたことにより全国の食品メーカーが便乗し、一気に全国へ広まったそうです。

古い風習である豆まきに「福は内」という掛け声があるように、もともと節分には福を呼び込むという概念があります。巻きずしには「福を巻き込む」という意味と「縁を切らない」という意味が込められているので、節分に恵方(めでたい方角)を向いて巻き寿司を食べる行事は受け入れられやすかったでしょう。食品メーカーの思惑だけでなく、主婦の思惑もあったかもしれません。太巻きを一本丸かじりすれば満腹になるのでそれだけで夕飯の献立として成立する上に、市販のものを購入しても後ろめたくありません。豆まきと違って後片付けが大変なわけでもありません。主婦ならば、豆まきよりも太巻きに惹かれることでしょう。

さて、2016年の恵方は南南東です。今年もスーパーで太巻きを買って、恵方を向いて食べようと思います。食べてる最中に喋ると運が逃げるそうなので、食べ終わるまで口を利かず、無言で黙々と食べるつもりです。

Written by Cranberry Jam

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