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コールセンター -Cranberry Jam-

2015年12月04日

先日プリンターの調子が悪くなったのでメーカーに電話をしました。担当者の日本語が少し訛っていたので、どこに電話が繋がってるのか気になって聞いてみたところ、驚きの答えが返って来ました。「ここは中国です。当社のコールセンターは大連にあります。」

 アメリカには、コールセンターを刑務所におく企業があります。人件費が安いからです。受刑者に支払われる賃金は時給わずか数十セント。一般労働者と違って遅刻や欠勤や退職や賃上げ要求はなく、福利厚生の手当も必要ありません。アメリカには100ヶ所以上の民間刑務所があり、「獄産複合体」とも呼ばれる巨大ビジネスとなっています。民間刑務所は受刑者数に応じて州から予算を受け取るため、受刑者を増やすことに躍起になっています。政治家へのロビー活動も行われており、全米の受刑者数は過去10年間で25%も増加しました。1970年には30万人だったのが現在は250万人です。人口14億の中国でさえ、受刑者数は200万人です。地球上の全収監者の4分の1がアメリカにいることになります。

日本には現在4ヶ所の民間刑務所があります。民営化により48億円が削減できると謳われましたが、削減額は20年間での試算なので1年あたり2億4千万円です。その額は、ほぼ全て人件費の差だと言われています。民間刑務所にはパート職員もいるからです。民間刑務所では受刑者が出所後にスムーズに社会復帰できるよう、職業訓練に力を入れています。将来もしかしたら日本でも、コールセンターに電話したら実は刑務所の受刑者が応対していたという日が来るかもしれません。

不調だったプリンターも、コールセンターの指示通りに操作したところすっかり良くなりました。お礼を言って電話を切ろうとすると、サポート品質向上の為にメールでアンケートに答えるよう言われました。「私は〇〇と申します。私の対応にご不満な点がなければ評価を星5つでお願いします」 日本はサービス要求度が高いお国柄なのでコールセンターを中国に置くとはなかなかチャレンジングですが、こうやって品質を担保してるんだなーと感心しました。

Written by Cranberry Jam

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