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星の欠片 -Cranberry Jam-

2015年10月23日

先日、オリオン座流星群を見に行きました。以前「星のソムリエ」という方に教えて頂いた秘密の観測スポットを目指したのですが、想像以上に山奥で、真っ暗な曲がりくねった細い山道を小一時間ほど抜けてようやく辿り着きました。そこは四方を山で囲まれる小さな盆地になっていて、どの方角からも街明かりが届かず、星以外は何も見えないような場所でした。

毎年この時期に流星群を観測できるのは、地球の公転軌道上に塵が密集したエリアがあるからです。それらの塵は、約3000年前にハレー彗星から放出されたものです。流れ星は、彗星が落としていった星の欠片と言えます。

私たち人間も、星の欠片です。何もロマンチックな表現という訳ではなく、文字通り星の欠片で出来ていると言えます。人間を構成する物質を細かく見ていくと、分子や原子にまで辿り着きます。ではこれらの原子は、いつどのようにして誕生したのでしょうか。

原子の誕生には3つのパターンがあります。まずは水素原子のようにビッグバン直後に誕生したもの。次に炭素原子やカルシウム原子のように恒星内部の核融合反応で誕生したもの。そして銅原子やヨウ素原子のように超新星爆発により誕生したものです。炭素もカルシウムも銅もヨウ素も人間を構成するのに必要不可欠な元素ですが、これらはまさに星から生まれたものなのです。

さて、天体ショーは運良く気象条件にも恵まれて、いくつもの流れ星を見ることができました。たくさんお願い事をしすぎて、もうお願いすることがなくなるほどほどでした。特別に長い尾を引く大きな明るい流れ星を見たところで、観測を終えました。私たち人間の身体を作る元素は今は輝いてはいませんが、かつては宇宙空間のどこかで、あの流れ星のように燦然と輝いていたのかもしれません。

Written by Cranberry Jam

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