先日引越しをしました。引越し前に長年使って古くなった冷蔵庫を処分したのですが、処分に一苦労しました。

家電リサイクル法に則ってリサイクル券を購入し回収を依頼すると、結構な費用がかかってしまいます。そこで中古家電の買取業者に何軒か問合せたところ、製造から10年を越えた物は取扱えないとのことでした。知人で貰ってくれそうな人に当たってみたものの、こちらもダメ。途方に暮れつつ誰か引取り手はいないかしらと調べてみると、それらしき掲示板サイトを見つけました。

ものは試しと冷蔵庫の写真をアップし、「１週間以内に取りに来れる方に冷蔵庫を差し上げます」と投稿したところ、その日のうちに５件もの問合せがありました。５人の中から最も丁寧な文面の人を選び、引渡しの日時を約束しました。折角だから少しでも良い状態でお渡ししようと隅々まで磨いて綺麗にし、万が一の雨に備えてビニールで全体を包装しました。

そうして準備万端で迎えた引渡しの日、最も恐れていたことが起こりました。なんと無連絡ですっぽかされたのです。もう引越し日が目前だったので、慌てて他の問合せの人に連絡を取り、明日までに取りに来れないかと無理なお願いをしたところ、１人の方が快諾してくれました。翌日実際にお会いしてみると人当たりの良い優しそうな方で、いかにも大切に使ってくれそうな様子でした。

冷蔵庫が軽トラックの荷台に乗せられたとき、心のなかでそっとねぎらいの言葉をかけました。「冷蔵庫くん、長い間ありがとう。キミは何でも冷やしてくれたね。時には冷やしすぎて、ネギを凍らせたこともあったね。これからは新しいご主人の元で、適度に冷やし続けてるんだよ‥」

この冷蔵庫にとっては、新しいオーナーに引き取られて第二の人生のスタートです。私自身より一足早く、冷蔵庫がお引越しをしてゆきました。

Written by Cranberry Jam