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相次ぐ飛行機事故に思う -Forever Young-

2015年04月17日

 水曜日の朝、いつものように日経新聞社会面を開いた。「広島、アシアナ機、着陸失敗」、「『エンジンから炎』緊迫の脱出」、などの見出しが目に飛び込んできた。えーまたか。「滑走路外れ22人がけが」、幸い死亡者はいなかったようだ。一年前の3月にマレーシア航空機が行方不明になった。7月には同航空機がウクライナ東部で撃墜された。その直後にトランスアジア航空機が台湾で墜落し、アルジェリア航空機がマリで墜落した。そして、今年に入りトランスアジア航空機が台湾で今度は水上に墜落した。3月末にはデュセルドルフへ向け飛行中の格安航空機ジャーマンウイング機がフランス南東部で墜落した。まだ書ききれない事故もある。僅か一年の間にどうしてこう大事故が相次いだのだろう。

航空機事故は起き始めると世界各地で頻発する。暫くしてパッと止まる。その後は何もなかったように穏やかな時期がかなり続く。忌まわしい記憶が忘れ去られた頃に、事故頻発局面に入る。そしてまた静かになる。航空機事故は昔からこうしたパターンを繰り返してきた。専門機関の事故継続調査によれば、未だ原因不明の気味が悪い事故も多々あるが、原因が特定された中では、主原因は操縦ミスという場合がかなりに上る。そして、機械的故障によるもの、天候によるもの、がその後に続く。操縦ミスや機械的故障が多くの航空機事故に繋がっているのだとしたら、何故、昔から特定の時期に事故が集中するのだろう。

操縦ミスはパイロットの訓練不足や職場環境の悪化、無理な運行スケジュールなどに由来するものが多いと言う。また、機械的故障は時間的に急がすあまり、まともな整備がなされないなど、整備の問題に起因するものが多いと聞く。詰まる所、航空会社の経営の悪化が背景になっている場合が結構ある。価格競争などで安全性の様々な面に手が回らない会社が増えると事故が増える。となると、相対的に運賃の高い会社が選択されるので経営状況の悪い会社がドミノ式に淘汰される。そして生き残った会社の収益が回復し暫く平穏な時期が続く。すると、乗客の多くが安全性への関心を失い、運賃の安さを会社選考の第一基準にし始める。競争再燃により経営状況の悪い会社から整備、その他の面での安全性が薄れて行く。と考えると「航空機事故一時期集中」への解として至極納得が行く。

格安航空機の台頭が近年目覚しい。異常気象が多発する。こうした事業環境変化の中でマレーシア航空機の経営状態はかなり悪かったと聞く。また、台湾のトランスアジア航空機の最初の事故は台風が接近中で他社が運行を中止する危険な状況下で起きたと言う。航空機事故の確率は他の移動手段に比べ統計的には極僅かだ。また、再発防止努力により航空機数増加の一方で事故は減少傾向にある。とはいえ、事故の確率が高まる局面がある。また、選択次第で事故に会う確率が高まることもある。事故に遭われた方々を非難しているのではない。こうした観点からも自分の身は自分で守るということも大切なのだと思う。

Written by Forever Young

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