幼少のころ、時計の見方を習った時のことを覚えていますか?私の場合は、即席麺がキッカケでした。
先日カップヌードルミュージアムに行きました。自作のカップヌードルがお目当てでしたが、日清食品の創業者である安藤百福の展示に目が留まりました。
安藤氏は、世界初の即席麺「チキンラーメン」や、世界初のカップ麺「カップヌードル」の発明者です。カップ麺は20世紀最大の発明の一つとも言われ、現在の年間消費量は世界で一千億食。安藤氏は実業家と発明家という2つの顔を持ち、世界の食文化に大きな影響を与えました。その安藤氏はこう話しています。
「戦後の大阪で長い行列を見た。行列の先はラーメン屋台だった。やせこけた人々が寒空の下、震えながら順番を待っていた。その光景が目に焼き付いた。誰でも簡単に作れるラーメンを発明したら喜ばれると思った。即席麺を開発したのは48歳の時。遅い出発と言われるが、 人生に遅すぎるということはない。50歳でも60歳でも新しく出発できる」
私が幼少の頃、近所の駄菓子屋に小さなカップ麺があり、おやつに食べるのをいつも楽しみにしていました。自分で3分計れるようになりたいと思ったのがキッカケで、祖母から時計の見方を教わりました。
安藤氏は91歳で宇宙食ラーメン「スペース・ラム」の開発に着手。無重力でもスープが飛び散らないようとろみをつけ、麺を一口大の形にするなど様々な工夫を凝らして完成。そしてスペースシャトルへの搭載を果たしました。初めて宇宙で即席麺を食べたのは野口聡一氏です。安藤氏が新たな夢を実現させた時、なんと御年95歳でした。安藤氏は生涯現役で、長寿の秘訣を聞かれると「毎日欠かさず食べるチキンラーメン」と答えていたそうです。
「人生に遅すぎるということはない」安藤氏のこの言葉に、深い重みと説得力を感じました。
Written by Cranberry Jam