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侍サポーター -Cranberry Jam-

2014年07月11日

ワールドカップもいよいよ佳境、残すは三位決定戦と決勝戦の二試合のみです。前回王者スペインがグループリーグで一勝も出来ずに敗退したり、優勝候補の地元ブラジルが今後三十年は語り継がれるであろう歴史的大敗を喫するなど、波乱の多い大会でした。我らが日本代表チームは、決勝トーナメント進出はおろか、予選リーグで一勝も出来ず、残念ながらワールドカップに確かな痕跡を残すことは出来ませんでした。

一方で、日本からはるばる海を超えたサポーターの一部が、現地メディアから好意的に取り上げられました。それは、ゴミ拾いです。実は日本サポーターによるゴミ拾いは、2010年の南アフリカ大会でも行われていました。その際も海外メディアに取り上げられてはいたのですが、今回は以前よりも大きく取り上げられました。というのも、前回大会では日本は予選リーグで2勝し、決勝トーナメント進出を果たしました。しかし今回は一勝もしていません。今回のサポーターは、自国チームが負けたのにも関わらず、ゴミ拾いをしたのです。私たち日本人の感覚からすると、ゴミ拾いの有無と試合結果に深い相関関係があるとは思えませんが、ブラジル人の感覚は違いました。「アイツらスゴい、負けたのにゴミ拾いしてる!」と報道されたようです。

日本では、学校の遠足でもゴミを持ち帰るように言われますし、学校の部活動では「入った時よりも綺麗にして部室を出なさい」と言われたりします。野外音楽フェスの後に自分のゴミを持ち帰るのも珍しくありません。富士山や高尾山などの山登りでは、自分が出したゴミを自分で持ち帰ることが当たり前で、むしろゴミを持ち帰らないのは非常識です。

ところが一歩海の外へ渡ると、私たちの常識が必ずしも常識ではないことを実感することがあります。数年前に行った上海では、地下鉄の車内の汚さに驚いて、思わず写真を取りました。スナック菓子の袋や、得体の知れない謎の食べ滓や、飲み残したジュースが電車内に散らばっているのです。そしてそれを誰も気に留める様子もありません。思わず笑ってしまったのが車内の注意書きです。「禁止吐痰」。目撃こそしなかったものの、電車内で痰を吐く人がいるのでしょう。

サッカーの試合後のサポーターによるゴミ拾いは、Jリーグ発足当初から長年行われてきたことであり、すでに日本には根付いています。ブラジルで好意的に報道されたこともあってか、ブラジル人サポーターが「日本を見習おう」と言って、ゴミ拾いをしていました。日本には、ハードとソフト両面の、誇るべき文化があります。それをしっかりと守り、受け継いでいきたいものです。

Written by Cranberry Jam

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