最寄り駅周辺が再開発されたが、木々を多く植えているし管理もしている。しかし、最初は木が環境の変化についていけないのか、夏に落ち葉になるなど適応できていない状態がわずかであるが見られた。そして緑は多いのであるが鳥や虫はほとんど見られなかった。
以前は、すぐ近くに隠れた桜の名所があったが、そこも閉鎖されセミの声も聞こえなくなった。その周辺の住宅もなくなり一時期殺風景になった。ボーリングを打った影響か歩道には大量のミミズの死骸が発生したりもした。スズメが多い地域であったがしばらくは見ないことが多かった。
その駅へ向かう途中に変わらず見えたのは蟻の巣だけであった。雨で巣穴が亡くなっても、誰かが踏んでも、しばらくすると小さな山ができて蟻が忙しそうに動いている。ということは、虫なり餌となるモノはいるのだろうが数が減ったのだろう。
それから約3年経ったが、スズメの鳴き声が聞こえるようになり、今はセミも鳴いている。今年に入り朝はアオスジアゲハを見る機会も増えた。夜にはヤモリもみることもある。ヤモリがいることからは昆虫が多くなっていると思う。戻ってきたのか、繁殖したのかわからないが鳥や虫の数が増えた実感がある。
1ヵ月ほど前にその付近でスズメの巣を発見した。今は既に巣立ってしまったのか、住んでいる気配はないが、信号の上の案内標識をつけているパイプの中である。10年近くすんでいるが、初の発見であった。スズメを発見し、目で追っていたら信号機あたりで消えたため、その後、そのあたりを注意深く見るようにしていた。何回か後、信号機の上についている標識をつけるパイプに草が垂れているのが見えた。その瞬間スズメが飛び立った。
意識して木を植えるなど緑を増やすような管理をしたからであろう、駅の周辺に思いもよらず生物が生息していそうである。来年からは近隣のもう一つの再開発が開始される。そこに現在いる虫たちも徐々に集まるのかもしれない。
暑くない時期で時間のあるときは寄り道通勤の多い私の密かな楽しみが増えているのである。
Written by sparrow