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渡る世間は人ばかり – 若葉マークのコミュニケーション-

2013年04月26日

職業柄色々な人にお会いする。
上場企業のIRご担当の方々がほとんどだが、業界が全く違うので、毎回ある種のカルチャーギャップがあり、新鮮な驚きを感じることができるので面白い。
取材時にどうしても聞きたいと思うポイントがあり、相手方もうんざりしているだろうな、と思いながら、角度を変えつつ同じ趣旨の質問を繰り返すことがある。お互い立場はあるものの、個人的にはコミュニケーションの工夫次第でもっと円滑な話し合いが出来ないものか、と考えていた。

先日、取材力という内容の書物を目にしたので、興味本位に読んでみたところ、主に記者やライターと呼ばれる方々が、如何に相手に嫌われずに、いい話をしてもらえるかという内容であった。大物政治家からトクダネを引き出した方法等、色々なエピソードがあったが、ポイントを1点だけにまとめると、質問されて嫌がる人間はいないということだった。つまり、興味を持ってもらって嫌がる人間はいない、ということになるのだろう。人間心理というか、何とも示唆に富む話だと感じた。

話が少しそれるが、知り合いに買い物上手がいる。この方は値切るのもうまい上に、目利きである為、良いものを手に入れるのがとてもうまい。サクラの素質もあるらしく、本人が買い物をしているとなぜか人が寄って来たりする。この方の値切り方法が面白い。曰く、誰にでもプライドはあるので、この商品がどれだけ良いものか、本音で褒めて、かつ自分の中でどこまで出してよいのか計算しておく、とのこと。
たまにデパートで商品を買い叩くつもりか、悪い点を言いまくる人がいるが、正直無駄だと思う。なぜなら仕事として従事している人達にとっては、全く愉快ではないからだ。それに対して、今日はこのくらいしか持ってないのだけど、この商品はどうしてもこの点が素晴らしくて、二度と手に入れないから記念に是非欲しいと頼むと、面白い事に結構な確率で従業員が社長に掛け合ってくれ、社長から大概GOサインが出る、という流れになることもあるらしい。
仕事をしていると立場というものを意識してしまう時が度々あるが、そういったものが一旦無くなると、あとは個人の感情だけなのかな、と考えさせられる。

さて、有名なイソップ童話の中に、北風と太陽という話がある。
話の中で太陽は暖かくて親切な?というイメージがあるが、聞くところによると、本人が自らそうしたくなるようにするというのが本来の太陽の役割らしい。
人から話を聞きだしたいとき、無理に聞き出そうとするよりも、気持ちよく自ら話してもらえるように、これから取材や交渉をするときは”太陽”でいってみようと思う。
行動が同じでも、気持ち良いほうがお互いよい結果になるのではないだろうか。

Written by 若葉マークのコミュニケーション


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