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3153 -Cranberry Jam-

2012年10月05日

先日上野に行った時のこと、駅から大通りに出ると見慣れぬガラス張りのビルがあり、数字で大きく「3153」と書いてありました。中は商業施設でショップやレストランが入っており、人でごった返して賑わっていました。最上階まで上がると屋上庭園があり、上野公園につながっていて、目前には威風堂々とした西郷隆盛の銅像がありました。なるほど「3153」とは「サイゴーさん」のようです。

屋上庭園の入口には大きいパネルがあり江戸期と明治期に書かれた2枚の上野の図が展示されていました。江戸期の図を見ると、上野公園一帯は寛永寺の境内でした。今でも寛永寺は残っていますが、当時は今では想像できないくらい広大な境内だったようです。

明治期の図は今から120年程前に書かれた物で、とても興味深い絵でした。五重塔・清水・東照宮・鳥居など今でもそのまま残っている建物がいくつも確認できました。しばらく眺めていると、絵の中に、三角・丸・四角のおでん串のような建造物を見つけました。それが何なのか、今でもあるのか気になったので、探してみることにしました。

ちょっとした探検家気分で探し始めたのですが、意外にもすぐに見つかりました。絵の中と同じ形で同じ場所にありました。そしてそれは彰義隊のお墓でした。今まで何度となく上野公園を散策していますが、初めて気が付きました。以前日暮里の羽二重団子にお団子を買いに行った時に見た立て札を思い出しました。「上野の山から敗走した彰義隊の残党がこの坂を逃げ下りた」と書かれていました。ここで戦ってあそこまで逃げたのかと想像していると、ふと映画ラストサムライのワンシーンが頭をよぎりました。もしかしたらあの映画のように、最新装備の新政府軍に、彰義隊は刀で戦いを挑んだのかもしれません。

最新の商業ビルから自然とここまでいざなわれたことに何かの縁を感じ、そっと目を閉じて手を合わせました。合掌

Written by  Cranberry Jam

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