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書評といえない書評 -jimboucho-

2011年09月16日

私は本が好きです。図書館や街の大きな本屋に行けば問題の大概の解決策やヒントはあります。詰まる所、実行するかしないかだけだと思っています。

比較的本を買いますが、無尽蔵にも家に置くこともできないので、本棚に入りきらなくなると処分するというルールを家族としています。最近、また本棚に入りきらなくなりました。

いざ処分しようとすると、大掃除や試験などの時にありがちな漫画を読みだすといった感じでなかなか進みません。二段目から引っ張り出した長く眠った本に懐かしさを覚えます。その中で、大前研一氏の『新・経済原論』を見つけると、目次構成が美しかったなこれ、と読み始めたり、クリストファー・ボグラー氏の『神話の法則』が出てくると、当時は「なんでもこの本の法則にストリーや出来事を当てはめようとしていたな」と苦笑いしていました。買うときは、比較的大きな本屋さんで吟味することが多いので、その時その時に非常に興味がある本を選んでいます。しかし、時事ものなどは、時間が経って、距離を置いてみると、脳や思考回路を覗かれているといった、小恥ずかしい気分になるものです。

今回は大掛かりな間取り換えも兼ねていたので、本棚を家族で一つにまとめることにしました。そのため、近所の図書館にあるものは持たないことを付け加えました。先に書いた本もお気に入りでしたが、図書館にあるので思い切りました。

結局残った本は、実務に使用する教科書のような本や知人のサイン本ぐらいにしました。サイン本は、「○○さんへ」と書いてあるのに外には出せません。こちらから頼んだのに申し訳がたちません、と思うと一生持っているのかなとも思いました。なんとなく、自我を形成したような哲学書のような本でも、なんとなく最近は「表現されないものはないも同じ」との意識が強くあるので残さないでおきました。

本の整理中にしばし読みこんでしまったのは、大前研一氏の『企業参謀』とガイ・カワサキ氏の『完全網羅 起業成功マニュアル』でした。どちらも「働く人の教科書」みたいな感覚を持っています。特に、『企業参謀』は、「算数」の社会応用の考え方が詳しく書いてあり、少し前に問題解決や論理的思考などの本が大量にあふれ出していたころのネタ本だと勝手に思っています。よく30歳前後でよくこのような本を書いたなあと敬服します。ただ、『企業参謀』は、ビジネス書の中ではあまりに有名だと思うので、今回紹介したいのは『完全網羅 起業成功マニュアル』です。

日本語タイトルは『完全網羅 起業成功マニュアル』といまいちなネーミングと思いますが、英語版は『THE ART OF THE START』とスマートな感じです。ネーミングで潜在顧客を逃しているかもしれません。内容は、資金調達、人材採用、売り込み、ブランド構築、口コミマーケティングなどなど、起業本の一般的な構成と同じかもしれませんが、文章が読みやすく面白い本です。この本は、11の奥義を解説していますが、決して起業を目指している人だけではなく、組織で働く人の全てに有用な内容だと思っています。著者のガイ・カワサキ氏は『Rules For Revolutionaries』(日本語版『神のごとく創造し、奴隷のごとく働け』)という本もあります。私は、日本語版のキャッチーなタイトルに引かれてた読者ですが、久しぶりに読んで相変わらずためになると思いました。ちなみに、『完全網羅 起業成功マニュアル』を出版している”海と月社”は評判のよい海外本の翻訳をしているところです。書評を書こうかと思ったのですが、Amazonがあるじゃないかと思い、本棚整理の時の雑感となってしまいました。

Written by jimboucho

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