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「ベンチがアホやから野球がでけへん!」の悪循環を断ち切れ -Forever Young-

2011年08月26日

ちょうど30年前の8月26日、甲子園球場、阪神タイガース対ヤクルト戦での出来事です。「ベンチがアホやから野球がでけへん!」という一言を最近思い出しました。ご存知ない若い方も多いと思います。8回表ヤクルトの攻撃。江本投手の投球数はこの時点で130球を超えていました。勝ち投手の権利を得ながらリリーフは送られずマウンドに立ち、疲れを捉えられ、3点差を追付かれたのです。150球以上を投げこの回を抑えベンチに戻るやいなやグラブをベンチに叩き付けました。ロッカールームへ直行する疲労困憊の同投手から記者がこの一言を聞いたと言います。以前から首脳陣の選手起用に不満を抱いていた同投手の言葉として翌朝、スポーツ紙一面を飾り、この年限りで同投手は球界を去りました。真相は未だわかりませんが、プロ野球史上でもっとも有名なセリフとなりました。

時は流れ、大震災、原発事故、未曾有の円高、世界景気に黄信号という中で政治的混迷が続く我が国の現状にこの一言は上手くはまるのです。例えば、製造業の経営者は鎮まる気配のない円高を踏まえ「政治がアホやから国内でモノづくりはでけへん!」 と言います。労働環境悪化の中で先が見えぬ企業労働者は「会社がアホやから意欲的に仕事もでけへんし、家を買うなどの投資もでけへん!」と続きます。そして、くたびれた親に向かい子供は「親がアホやから勉強なんかでけへん!」ときます。さらに独身の若者は「国がアホで先はわからぬから結婚もでけへんし、子供もでけへん!」となります。

日本は政治三流、しかし技術は一流だと海外の識者は評価するとよく聞きます。確かに世界をリードする優良企業はまだ残ります。ノーベル賞受賞者だってアジアでは多い。基本的に周りの仲間は皆、真面目で勤勉です。なでしこジャパンの活躍、国際柔道も金メダル連発でお家芸復活とスポーツ界もいつになく元気です。世界は大きく動いています。米国にはもう日本を支える力はありません。独裁者が去ったアラブはむしろ不安定化するかも知れません。今必要なのは、強いリーダーが現われこの「ベンチがあほやから野球はでけへん!」の悪循環を断ち切り、社会の閉塞感を晴らして欲しいのです。さもなければ国内貯蓄に支えられた国債市場、それらを背景とした国の信用も急速に崩れ落ちるでしょう。 

話は変わります。今夏、甲子園準優勝の光星学院野球部員の飲酒事件が問題になりました。しかし、いつでもどこでもコンビニで酒が買える、カラオケでは24時間酒が飲める。酒が好きなら朝から酔っ払いになれるこんな国は聞いたこともない。この環境で高校生に酒を飲むなといっても無理でむしろこのような社会にした方が悪い。ついでにお国のリーダーにはこうした社会の無秩序も正して欲しいと願うのです。

Written by Forever Young

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