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日本の良さを再発見 -Rising SUN-

2010年11月26日

尖閣問題が国内でまだ尾を引いている矢先、今度は朝鮮半島の沿岸で北朝鮮が暴走している。アジアの荒波は収まる気配がないが、あまり緊張感の見られないわが国日本では相変わらず大臣の失言問題やら(その前には尖閣ビデオ問題もあったが)迷走を続けている。とはいえ、最近英字雑誌Economistで久々に日本特集が組まれた。問題は山積しているものの、やはり日本は世界の注目を集める存在ということか。日本は外交オンチで、政治もイマイチだが、国民は勤勉で優秀だから経済は大丈夫というのが定説であった。しかし、別の視点からも見る必要があるだろう。確かに、尖閣問題では激しい口調(ポーズ)で日本を非難した中国首脳に対して、われらの菅さんは弱腰外交とのそしりはあるが、「大人の対応」をとった。外交は駆け引きだとよくいわれるが、日本は他の国のように握手しながらテーブルの下で足を蹴りあうような外交とは縁がないといえよう。

バカ正直かもしれない。二枚舌も性格的にできない。サムライ精神が残っているのかもしれない。驕(おご)らない、寛大、思いやり(在日米軍への「おもいやり予算」は一連の事業仕分けの対象にすら上がっていない)、お人よしで憎めない国、ニッポン。気は小さいけれども、やたら他人(他国)の評価を気にする。頼りない、時にはあきれるほど情けなさを露呈する日本だからこそ、自虐的かもしれないが、他国から信頼される条件を兼ね備えていると筆者は考える。80年代末にソ連が崩壊しアメリカ率いる自由主義・民主主義陣営が勝ったかに見えた。しかし、その後の強欲資本主義の行き着く所は世界の現状を見れば明らかだろう。従来の欧米の価値観を是とする世界観から東洋の宇宙観にシフトしていく過渡期に現在はあるのかもしれない。  

世界が物質的な豊かさを求めていた時代は、リーダータイプ、マッチョのアメリカが尊敬を集めた。日本もそれにあこがれた国の一つであろう。しかし、アメリカは富の一極集中が加速し、社会の矛盾を抱え、言論の自由を標榜する割には政府批判には厳しく、日本ほどには何でも本に書けない国であることを世界が知り始めた。対する日本といえばのんきなところはある一方、人間の本来求める「優しさ」、おもてなしの心を持っている。和のこころ、奥ゆかしさという概念も本来人間にとって理解できないものではないだろう。実際、日本はその価値観を押し付けることなく、Nipponのアニメ、オタク文化を海外で広めてきた。自然に広まったという方が真実に近い。日本食も根強い人気だ。ソフト面、精神的な側面からも日本の影響力は高まるのではなかろうか。これからも日本は経済力という観点からは世界での相対的な地位を少しずつ落としていくだろう。しかし、日本は引続き独特のオーラを発揮し、日本が望もうと望むまいと海外諸国から一目を置かれ続けよう—あまりにも楽観的な期待かもしれないが。


Written by Rising SUN

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