メニュー
TIW Cafe

百薬の長がピンチ! −Knight King−

2010年11月05日

-日本酒の販売(消費)数量が激減-
御存知の方もいらっしゃるでしょうが、百薬の長と言われる日本酒がピンチを迎えている。清酒の販売(消費)数量は、1970年度の153万KL(キロリットル)から75年度に167万KLまで増加したが、その後は下降トレンドが続き、2008年度は63万KL(75年度比−62%)という状況である。

-蔵元を直撃-
この強烈な日本酒離れが蔵元を直撃している。福井県の源平酒造は9月に福井地裁に自己破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けた。1673年創業と江戸時代前半から続く老舗であり、「源平」ブランドで多数の賞を獲得してきた名門である。遡れば7月には、明治時代に創業し、全国初の地ビール「エチゴビール」醸造を始めたことでも知られる新潟市の上原酒造(主力銘柄は越後鶴亀)が民事再生法を申請。09年にも舞姫酒造(長野県)などが民事再生法の適用を受けており、酒造会社の苦境は続いている。日本酒造組合中央会(東京都港区)によれば、売上低迷に歯止めをかけようと最近では地方の蔵元が大都市圏に足を運んでイベントを開き、PRに努めている。それでも健康志向?からか「ハードリカー」と見られる日本酒を敬遠する傾向が続いており(もはや酒は百薬の長は死語なのでしょうか)、冠婚葬祭の場でも日本酒が飲まれなくなっているという。

-米国、韓国向け輸出は増加も、歯止めにはならず-
一方輸出は99年の7,292KLから、2008年には12,151KLまで増加。09年は減少したものの11,949KLである。台湾向けが大きく減少しているのに対し、米国向けが着実に増加、韓国向けが急増しているが、国内の減少の歯止めとはなっていない。

-日本酒の効用-
昔から酒は百薬の長といわれているように、適度な飲酒は心臓病、がん、骨粗鬆症、老化、痴呆などの発症リスクを下げるというデータが、世界の免疫的研究で次々と発表されているようである。日本酒に含まれるアミノ酸は胃を丈夫にし、食欲を増進し(ダイエット中の方も、おつまみに気を付ければ大丈夫のようです)、動脈硬化、心筋梗塞、健忘症など多くの生活習慣病に有効だということも解明されてきているという。悪玉コレステロールが酸化するのを防ぎ、善玉コレステロールを増やすというデータもあるらしい(素晴らしい!)。
このように多くの効用をもつ日本酒(蔵元)を再生するファンドがあってもいいような。

-誤ったイメージ修正もアナリストの仕事?-
株式投資においても企業のイメージや、あるいは思い入れ等から、実体以上に評価が高かったり、低かったりすることがある。リサーチして思ったよりいいじゃないとか、聞いていた程ではないなという場合も少なくない。このように誤ったイメージを修正することも、アナリストの仕事でしょう(アナリストによって評価が異なることもあるので、何とも言えませんが)。何はともあれ、とりあえず健康のために、今夜も飲まなくちゃ。すかさず後方から愚妻の声「(飲み)過ぎたるは及ばざるがごとし」。今回はTIW  Sakeでした。

Written by Knight King

TIW Cafe 一覧 TOPへ戻る