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自動車事故からの教訓 -Star-

2010年10月08日

土曜の午後、偶然が重なり母と姪とで中伊豆の温泉へ向かった。最近、運転に自信を深めた姪が母の車を運転した。とはいえ、19歳で初心者マーク。いくつかの漁師町を通り過ぎ、伊豆半島の西側と中央を結ぶトンネルを抜けた。その直後のことだった。視界に一瞬、大型トラックのヘッドランプが飛び込む。直に正面はトラックの巨体に変わり目の前は真っ白になった。大きな衝突音の後の静寂。後部座席から投げ出された筆者の前でエアバックを抱えるように姪が倒れている。「大丈夫か」と叫ぶと何とか起き上がり隣の母に声をかける。頭部から血を流しながらも母に命があるのは確かだ。車体前方に煙が立つ。とんでもないことになってしまった。

車はなんと右に大きく回転し対向車線を遮る。無残な車体からエンジンが顔を出す。すると、後続車から「私は消防と連絡を取りましょう」、「では私は警察を呼びます」と呆然とする筆者へ声がかけられた。「お願いします」と言うのが精一杯だ。運よく看護師の資格を持つ女性も現れ、姪のケアをしながら母に応急手当を施してくれた。首尾よく緊急対応は進んだ。救急車が母を最寄りの大学病院に搬送。筆者も落ち着きレッカーを手配。対向車線の左端ぎりぎりに止まっていた相手車を発見し、運転手に怪我はなく、一部破損はあるが走行に大きな支障がないことを確認した。その後、警察への説明を終え姪とともに母の病院へ急いだ。

一時間半に及ぶ大渋滞になってしまった。本当に沢山の人を巻き込み申し訳ない。一方で名も知らぬ協力者の方々に頭が下がる。大事故ながら、全員が軽傷で済んだ。エアバックやシートベルトが機能したことが最小限の被害に繋がった可能性が高く、安全装置の重要性をつくづくかみ締めた。弾みで筆者は前歯二本を折った。後部への乗車でもシートベルトを締めていたら、無傷で済んだかもしれないと悔いが残る。

事故処理の最中、保険が気になるが確認の暇などない。姪の起こした事故はカバーできるか、相手は商用車であり事業上の損失を補填できるのか、そして、地方では車は必需品であり、修理費用を見る車両保険は十分な内容か、などの不安が頭をよぎる。一段落し事故の報告とともに保険会社へ加入内容を確認し安堵する。母以外の運転者の年齢は問わず、自分の車も修理できる内容になっており、大概はお勧めプランで決めてしまう母の性格が幸いした。車は全損の扱いとなり、少し足せば小型の新車が買えるくらいの保険金が見込める。

厳しい経済環境下、家計は必要なところへ選択と集中を図らぬとどこも決して楽ではない。そこで、事故が無ければただ支払うのみの生命保険や損害保険の保険料の高さに目が行く。内容を落とし保険料を下げられればとの思いに駆られる。しかし、今は万が一の保険はけちらない方が良いと考える。この事故で死者や障害者を出していたらと思うとぞっとする。確り掛けていたつもりの保険が役に立たないのでは済まされない。どうしても見直しが必要なら、落とし穴にはまらぬよう専門家の意見を求めたい。早速、筆者は自分の自動車保険の補償範囲を拡げた。筆者自身の事故を今般題材にさせていただいた。万が一などないにこしたことはないがないとは限らない。滅多に経験しない、いや二度と起こしたくはない体験を確り振り返ることで筆者自身への戒めにするとともに、読者の方の何等かの参考になればと思った次第である。

Written by Star
 

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