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TIW Cafe

モノからオモイデ -J-

2010年08月20日

日産セレナのCMで「モノより思い出」シリーズがあった。私が記憶にあるのは、女の子が「屋根の上で寝ころんで……」のあと、男の子が「あんま、ないんやけどな?」と言っているCMだ。最近では、ロッククライミングの映像に「あきらめないでどんな時も?♪」とサンボマスターが歌っているCMが記憶に残っている。最近つくづくよいCMだと思うことがあった。

この夏に50回忌、23回忌、1周忌が重なったため比較的大掛かりな法事があった。せっかく親戚が集まるのだから法事の後は旅館で泊まり、次の日はバスでいきたいところを回ってくれるが、帰る事情のある人から帰る、というプランである。気分は久しぶりの田舎旅行である。

実家に帰ると、兄の子供が先に帰省していた。私は比較的兄と似ており、昔はどちらがどちらだかわからないといわれたものだ。子供は1歳ぐらいまでの時はどちらが父親か分からないような感じであったため「パパですよー」というと、ぼそっと「似ているけど違うなぁ……なんかちがうなぁー」。少し可愛さがダウン、いや、かなりダウン。すっかり女性の方がよくなってしまったようだ。1歳に満たない女の子の方は、知らない人が近付くとシンバルを叩く猿のように動き、しばらくすると寝ている、また人が近付くと笑い、いなくなると寝ている、となかなかサービス精神旺盛な子と感心。親戚が集まるにつれ頑張りすぎたためか途中からは寝ていた。

しばらく、子供と遊んでいると「お久しぶりです」と挨拶をする若いお兄ちゃんがきた。
夏休み中に田舎暮らしを体験させたいとの理由で約2週間泊まりに来て以来の約20年ぶりの再会だった。続けて「まだ、スーパーファイヤープロレスリング持っていますよ」。別れるときにあげたのものだった。分からない人も多いと思うが比較的人気のあったと思うスーパーファミコンのゲームソフトである。何年ぶりに聞いたか分からない「ファイヤープロレスリング」という言葉で「あー氷川とかトミーの」と出てきた。ちなみに氷川とトミーは私がよく選んでいた選手の名前である。「そうですよ、よく選んでいた選手の名前が出ますね」。つまらない記憶力は恐ろしい。

法事は坊さんの袈裟が焦げる、バスの運転手は暑さでやられたのか車の後ろを壁にぶつける、というハプニングもありながら温泉に入り宴会。小さな子供たちは初めて会う子ばかりだったようだが、すぐに仲良くなり遊んでいる。両親たちも満足げである。
遊んでいる子供を見ているとこのような経験は重要だと感じた。私も、久しぶりに会う親戚が多かったため、昔話に華がさいた。

最近は、親戚と会う機会といえば冠婚葬祭である。比較的近くに住んでいてもほとんど会わない。夏休み中のたまたま重なった法事だったため、大勢の親戚が集まり子どもたち同士で遊んだことは、きっと良い思い出として残るだろう。デジカメでいろんな写真を撮っていたし、集合写真をみると思い出すに違いない。翌朝の漁港で様々な海産物や、「トビに注意」の看板のとおり身近でトビをみてはしゃいでいたことも良い思い出となっただろう。

帰ってきてから、気になった「ファイヤープロレスリング」をどうにか見つけてやってみた。タイミングを合せて技をかける。それだけである、最近はゲームが指の運動のような感覚を覚えるようになってしまっている。きっと、あのソフトには2週間、海水浴、ザリガニ捕り、クワガタ探し、花火、畑手伝い、などを思い出させるのだろう。よく持っていたものだ。こちらまで思い出がよみがえってきた。

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