メニュー
TIW Cafe

人と自然の間に −kensuke’96−

2010年04月30日

念願かなって、伊勢神宮へ行きました。
はじめに参拝した外宮にて同行した友人が「御朱印(ごしゅいん)帳を買う」と言うので、どういったものか知らなかったけれども私も便乗。
お宮に参拝する毎に神職の方から御朱印を捺していただくうちに、それぞれに趣のある御朱印が増えていったり、また神職の方と時折言葉を交わすことも楽しく、今回の旅のキーワードはありがたい気持ちを込めて「御朱印ゲットだぜ!」となりました。

そんなお宮めぐりならではの楽しみもありましたが、やはり1カ月以上たった今も心に残るのは、深い感動です。

神宮には式年遷宮といって、お宮が20年に一度そっくり建て替えが行われる慣わしがあるそうですが(次回は平成25年)、その考え方、文化に感動しました。
お宮は建て替えられても、その建築様式は2000年の昔から変わっていません。
そして、建て替え後解体された木は全国の神社や家々の表札などに再利用されます。建物だけでなく当代最高峰の美術工芸品も、20年ごとに新しく奉納されます。
技術や文化の継承だけでなく雇用や建材の循環など、システムとしても完成されていると思いました。

法隆寺は世界最古の木造建築物ですが、式年遷宮が始まった時期、すでに法隆寺は建てられていたそうです。技術的には可能だったけれども、先人達はあえてそうしなかった。そして何世代にもわたって繋いできた。そこにまさしく神髄があるのだろうし、膨大な数の人々の希望や願いがあったから現在私達がその恩恵にあずかれるのだと思います。

かつて永遠を目指し、その時代の栄華を誇った建築物は世界中にたくさんあり、それらは見る者に過去に思いを馳せるロマンを与えてくれます。しかし、神宮のような例は他にほとんど無いのではないでしょうか。過去のロマンと同時に未来への光も感じます。
太古の昔から変わらないまま、生まれ変わって続いていくなんて、実に壮大です。

21世紀に生きる一庶民の私には、その地が異世界のようにも思えました。スケールの違う大きな何かがありました。
小さな自分は小さな持ち場で、またコツコツがんばろうと思いました。


Written by kensuke’96





















TIW Cafe 一覧 TOPへ戻る