今年の正月に我が家では地上デジタル放送(地デジ)化したと前回お伝えしましたが、最近の液晶TVやブルーレイレコーダは、地デジチューナーだけでなく、BS・CSデジタル放送チューナーも搭載したモデルが普及してきました。我が家でもその恩恵を受けて、BSとCSの2つのデジタル放送が映るようになりました。CS放送はいわゆる、スカパー!e2です。有料放送ですが、チューナーを新たに別途設けることなく見ることが出来るため、新たにチューナーやアンテナの購入・取り付けが別途必要だったアナログ時代より、随分とハードルが低くなりました。
試しに幾つかのチャンネルを契約して見ているのですが、その中にドラマやアニメ専門のチャンネルがあります。アニメ専門のチャンネルを見てみると、ルパン三世など、子供の頃に地上波で再放送していた作品が数多く放送されています。
番組を見ていてふと思ったのですが、昔の作品は「また見たい」と思わせる作品が結構多かったように感じますが、今現在放送している新作を見たいかと聞かれると、疑問符が沸いてきます。もちろん、既に大人になっているので、昔の方がよく思えたり、年齢的な嗜好の変化があったりするかもしれません。
しかし、日曜の朝にテレビをつけると、ドラゴンボールの再編集番組(ドラゴンボール改)が放送されているのを目にするなど、昔の作品、或いはその派生作品や続編などには世代を超えて依然根強い人気があるように感じます。
一方、新しい作品で、誰もが見たいと思うような話題作は、宮崎駿氏の新作(崖の上のポニョなど)など一部の作品を除けば、目にする機会が減っている気がします。
アニメを「産業」として捉えてみたとき、全くの新作でヒットする作品は、実は段々と減っているのではないでしょうか。近年のヒット作品を見ると、昔から知っている漫画家や監督に関連した作品が多く、作り手がベテラン化・高年齢化して来ている印象を受けます。
つまり、全くの若手がなかなかヒット作を出せていない印象を受けるのです。産業として捉えて見たとき、新陳代謝が見受けられないということは、中長期的には衰退産業化する可能性を持っています。
経済産業省ではサービス産業振興の一つとしてコンテンツ産業の振興に取り組んでいて、その中にアニメ産業も含めています。アニメ産業の課題としては主に、㈰資金調達、㈪人材育成の2つの問題があると私は思っています。㈰についてはファンドで支援するなどの取り組みが既になされているようですが、㈪については、まだ支援に不十分なところがある印象を受けます。
世代を問わず、「また見たい」と思える作品がどんどん出て来る夢のある世の中になるよう、国など様々な方面から支援強化に取り組んで欲しいと、一視聴者として願います。